共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年7月 - 2024年3月

進化運動生理学の創出:ロコモーションの収斂進化に基づくトレーニング・運動処方革新

日本学術振興会  科学研究費助成事業 挑戦的研究(開拓)  挑戦的研究(開拓)

課題番号
20K20619
体系的課題番号
JP20K20619
配分額
(総額)
25,870,000円
(直接経費)
19,900,000円
(間接経費)
5,970,000円

アスリートや健康を目指す人々には、ある強度を一定時間持続する定常運動が主に推奨される。これは、運動生理学が人工的な運動条件により、身心の機能向上や生活習慣病の予防・改善に資する運動効果を解明してきた成果である。一方、大空を飛翔する鳥類、大海を遊泳する魚類、ホイールで走行する齧歯類、先を急ぐヒトなど、動物の移動運動(ロコモーション)は種を超えて断続的である本研究は、ロコモーションの進化に基づく断続運動モデルを開発し、そのエネルギー効率と身心の機能に及ぼす有益な効果を解明することを目指す。
4年計画の2年目である令和3年度は、実験計画に従い、実験2を実施した。
実験2では、小動物用トレッドミル型代謝チャンバーを用いて、令和2年度に実験1で開発した通常の持続運動とロコモーションを模した断続運動との2形態を示すWistarラットモデルにより、安静、またはレーン長の異なるトレッドミル走運時のエネルギー代謝を検討した。その結果、断続走時の呼吸交換費の低下、すなわち脂質酸化量の亢進が観察された。次に、持続運動と断続運動の2条件で疲労困憊に達するまでの走行時間を測定したところ、断続運動で2倍程度長い走行時間を示すことを確認した。
これらの結果は、進化に基づく断続型運動は脂質を優先的に利用することで疲労の発生を遅らせることができる運動形態であることを示している。今後更に詳細な解析を進め、学会発表や論文誌筆を進める。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20K20619
ID情報
  • 課題番号 : 20K20619
  • 体系的課題番号 : JP20K20619