共同研究・競争的資金等の研究課題

2016年4月 - 2020年3月

近松没後義太夫節浄瑠璃作品のデジタル・アーカイブを利用した包括的研究

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(B)  基盤研究(B)

課題番号
16H03390
配分額
(総額)
16,250,000円
(直接経費)
12,500,000円
(間接経費)
3,750,000円

2018年度も基礎資料の整備が遅れている近松没後の未翻刻浄瑠璃作品の翻刻紹介・研究を目指し、諸本調査とそれぞれの作品の翻刻を行った。具体的には、『義太夫節浄瑠璃未翻刻作品集成』(玉川大学出版部)の第6期10冊の刊行に向けて、享保年間から延享年間にかけて初演された義太夫節人形浄瑠璃作品のうち、『傾情山姥都歳玉』『敵討襤褸錦』『茜染野中の隠井』『入鹿大臣皇都諍』『児源氏道中軍記』『遊君衣紋鑑』『増補大仏殿萬代礎』『女舞釼紅楓』『新板累物語』『文武世継梅』について、初板、初摺とみられる善本を底本とすることを基本とし、作品担当者が所蔵図書館に赴いての書誌調査を徹底し、十行本などの参考本の入手を行ったのち、翻刻作業を行った。その後、翻刻データを、翻刻担当者と翻刻確認者による見なおしに入ることができた。さらに、これに翻刻担当者が、梗概をはじめ書誌情報などをまとめた。
また、デジタル・アーカイブを使用した音曲・作品・言語研究を目指し、これまでに蓄積した浄瑠璃本文・節付のデータを使用して語彙索引・節付索引の作成を行った。充実しているとは言えなかった近世上方語研究に資するためのものとして、『丹州爺打栗』の語彙索引作成に対するための確認作業を始め、巻四までのデータの確認を終えた。また、現在も劇場で上演される作品 についての索引作成を行うことが急務と考え、『一谷嫩軍記』『須磨都源氏躑躅』の単語切り出しの下作業を完了した。さらに、これまで蓄積した近松没後浄瑠璃作品データを使用した文字譜索引の作成に向けての試作を発表した。

ID情報
  • 課題番号 : 16H03390