共同研究・競争的資金等の研究課題

2021年7月 - 2024年3月

量子パルスゲートによる極限微弱光を用いた生体断層撮影技術の創成

日本学術振興会  科学研究費助成事業 挑戦的研究(開拓)  挑戦的研究(開拓)

課題番号
21K18198
体系的課題番号
JP21K18198
配分額
(総額)
25,870,000円
(直接経費)
19,900,000円
(間接経費)
5,970,000円

本研究では、生体試料にフェムト秒光パルスを照射し、生体内部からの反射光パルスを時間分解測定することで生体試料の断層撮影を行う。その際、生体内部で1回反射して戻ってきた光パルス(信号光パルス)と同時刻に到来する生体内部で多重反射して戻ってきた光パルス(背景雑音)を量子パルスゲートにより除去する。それには、信号光パルスと同じ波形のポンプ光パルスを生成し、量子パルスゲートに適用する必要があるが、信号光パルスと背景雑音を実験的に分離測定することは不可能である。そこで、生体組織を屈折率の異なる楕円柱でモデル化し、生体組織にパルス幅100fsのガウシアンパルスを入射した場合の時間応答をFDTD法により計算することで、信号光パルスだけを取り出す方法を検討した。FDTDにおける時間更新の際に、実空間中の電磁界分布を2次元フーリエ変換により波数空間に変換し、入射光パルスと反対方向に伝搬する光を波数空間中の電磁界から抽出し実空間に変換することで、多重反射した光パルスを分離することが可能となった。
一方、パルス幅~80fsのファイバーレーザーの出力から、波長1565nmと1540nmのパルス幅~500fs の光パルスを4fフィルタリングにより切り出し、それぞれ生体試料のプローブ光パルスと量子パルスゲートのポンプ光パルスとした。生体試料にはマウス固定脳を用いた。生体試料に波長1565nmの光パルスを照射し、反射光パルスとポンプ光パルスの時間遅延を変えながら反射光パルスを波長775.5nmに周波数上方変換(SFG)し、シリコン単一光子検出器を用いて光子計数を行った。その結果、マウス固定脳の表皮から約1.5mmの深さまでの断層画像を得ることができた。さらに、SHG用PPLNを用いた量子パルスゲートにおける背景雑音抑圧比を評価するためにSFGにおけるシュミット係数とシュミットモードを数値計算により求めた。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-21K18198
ID情報
  • 課題番号 : 21K18198
  • 体系的課題番号 : JP21K18198

この研究課題の成果一覧

論文

  1

講演・口頭発表等

  2