適度な遠心性負荷は、膝蓋腱症の治癒促進に有効な刺激であるとされている。本研究は、片膝立ち位から体幹の後傾運動と後脚膝関節の屈曲により大腿四頭筋の遠心性収縮を促すhalf kneeling exercise(HKE)の運動特性を、前方傾斜台上での片脚遠心性スクワット(eccentric decline squat:EDS)との比較により検討した。対象は健常男性8名とし、三次元動作解析装置と表面筋電計を用いて、HKEとEDSにおける膝関節屈曲角と内側広筋(VM)、外側広筋(VL)、大腿直筋(RF)の筋活動を計測した。膝関節屈曲角とVLの筋活動は、HKEがEDSに比べて有意に高値を示した。RFとVMの筋活動は、HKEとEDSとの間に有意差がなかった。HKEはEDSに比べて膝関節屈曲角とVLの筋活動が高値を示し、大腿四頭筋の張力の増大により膝蓋腱の遠心性負荷が高まることが示唆された。(著者抄録)