共同研究・競争的資金等の研究課題

2019年4月 - 2022年3月

研究力が低成長・縮小する時代における科学技術政策の在り方の実証的分析

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
19K02857
体系的課題番号
JP19K02857
配分額
(総額)
2,210,000円
(直接経費)
1,700,000円
(間接経費)
510,000円

本研究では、日本の研究力が今後、低成長あるいは縮小せざるを得ない中で、先導的な位置を日本が維持し続けるための政策を検討することを目的としている。
前年度までは、日本が中国・米国・欧州などの大国・地域と比して、絶対的な研究規模の拡大に限界がある中での対応方策を考える必要性の認識のもと、複数の研究機関が連携をして、ネットワーク型の卓越した拠点を形成する方法として、日本の大学利用・大学共同研究拠点の分析を行ってきた。そこで機関間の連携やそれによる引用数の高い論文の作成、人材育成の効果を示してきた。今年度は、材料分野を分析対象として、どのような公的研究資金が論文指標でみたときにどの程度の割合を支えており、また、どのような研究内容を生んでいるかを分析した。その結果、科研費が多くの論文を生む一方で、元素戦略プロジェクトなどのいくつかの大きな資金制度が時限で、かつ結果的に時期により入れ替わる形で当該分野の研究を資金的に支援してきたという状況が明らかになった。また、政策的にはナノテクプラットフォームやSpring8などのその他の基盤的設備などの支援施策が相互に連携して研究を支援する体制が形成されており、そのような関係が一部ではなあるが研究成果においても確認された。これらの定量的な分析に加えて、定性的な研究として、大学の研究力を検討する上では、トランスフォーマティブイノベーションと呼ばれる枠組みの中で大学のミッションの再定義に関する議論、運営費交付金などの基盤的資金のあり方に関する議論、研究者の研究時間などの環境に関する議論について、それぞれ論文や招待講演の形で発表を行った。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-19K02857
ID情報
  • 課題番号 : 19K02857
  • 体系的課題番号 : JP19K02857