Research Projects

Apr, 2018 - Mar, 2023

質量階層性に対する新しい原理が導く多彩な物理現象とプランクスケールの物理

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(A)  基盤研究(A)

Grant number
18H03708
Japan Grant Number (JGN)
JP18H03708
Grant amount
(Total)
43,290,000 Japanese Yen
(Direct funding)
33,300,000 Japanese Yen
(Indirect funding)
9,990,000 Japanese Yen

(1)階層性問題を解決するための古典的スケール不変性に基づく素粒子模型として、標準模型の拡張を考えると、必然的に電弱対称性が宇宙初期において過冷却を起こし、QCD相転移が引き金となり電弱対称性の破れが発生し、e-folding 5程度の熱的インフレーションが予言される。原始インフレーションとは異なる第二のインフレーションは、それ以前に作られていた粒子密度を大幅に薄めることができ、様々な興味深い現象と関係する。その一つは、過冷却に基づく暗黒物質シナリオであり、もう一つは、QCD相転移で作られたアキシオンポテンシャル生成で、アキシオンの原始ゆらぎが宇宙の曲率ゆらぎに転化され、現在のCMBゆらぎを生成する可能性が考えられる。古典的B-L模型では、等曲率ゆらぎの観測制限との整合性に問題があることが明らかとなった。そこで、初期宇宙で標準模型と全く異なる温度発展をするスカラー場を導入することで、この矛盾を解決する可能性を検討した。
(2)階層性問題を解決するためのトップダウンアプローチとして、回転Dブレーンを使ったダイナミクスを検討している。2019年度は、回転ブレーンの間に、超対称性が破れた結果働く引力相互作用を計算するための、計算手法(部分的モジュラー変換)を開発した。
(3)階層性問題に示唆された標準模型のミニマルな拡張模型では、軽い右巻きニュートリノが重要な働きをする。TeV質量を持つ右巻きニュートリノが縮退した質量を持つことで起こるレプトン生成のパラメータ領域とニュートリノを含まない二重ベータ崩壊の実験的制限についての現象論的研究を行い、さらにレプトン質量行列の背後に離散対称性がある時のレプトン生成機構の研究を行なった。
(4) 階層性原理に基づく古典的スケール不変な模型で、スカラー場が2種類ある時に、くりこみ群を通して電弱スケールをダイナミカルに生成する可能性を検討した。

Link information
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-18H03708
ID information
  • Grant number : 18H03708
  • Japan Grant Number (JGN) : JP18H03708