共同研究・競争的資金等の研究課題

2021年8月 - 2023年3月

大腸癌幹細胞を用いた線維芽細胞増殖因子受容体阻害薬の感受性予測マーカーの開発

日本学術振興会  科学研究費助成事業 研究活動スタート支援  研究活動スタート支援

課題番号
21K20818
体系的課題番号
JP21K20818
配分額
(総額)
3,120,000円
(直接経費)
2,400,000円
(間接経費)
720,000円

本研究は、悪性腫瘍に対する新規分子標的治療薬として、近年注目を集める線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)阻害薬の、大腸癌への適用を目指すものである。FGFRはがん細胞表面に発現し、下流のシグナル伝達経路をEGFRと共有する膜タンパクである(図1)。FGFR阻害薬はFGFRからのシグナルを遮断することにより、がん細胞の増殖を抑制することができる。
これまで、2019年にFGFR3遺伝子変異を有する転移性尿路上皮癌に対しFGFR阻害薬であるerdafitinibが初めてFDAで承認され、2020年にはFGFR2遺伝子転座を有する進行胆道癌に対してpemigatinibが承認された。しかし、大腸癌ではFGFR阻害薬の感受性を予測する遺伝子マーカーが同定されておらず、今のところ承認の見通しはない。
本研究の主目的としては、(1)大腸癌においてFGFR阻害薬に対する感受性予測マーカーを同定することと、(2)患者検体を用いて薬剤投与前の感受性診断を可能にすることの2点を挙げている。大腸癌に対して感受性を有する患者を事前に予測できれば、大腸癌患者のみを対象とした臨床試験を行うことができ、FGFR阻害薬の応用に一歩近づくと考える。
当該年度においては、大腸癌患者由来幹細胞を用いた遺伝子発現解析を31検体分行い、バイオマーカーとなりうる候補を複数絞り込むことができた。今後、さらなる症例の集積を行う方針である。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-21K20818
ID情報
  • 課題番号 : 21K20818
  • 体系的課題番号 : JP21K20818