共同研究・競争的資金等の研究課題

2021年4月 - 2024年3月

胎児期POPs曝露による神経炎症が児のADHD症状へ与える影響の解明

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
21K10390
体系的課題番号
JP21K10390
配分額
(総額)
4,160,000円
(直接経費)
3,200,000円
(間接経費)
960,000円

有機フッ素化合物(PFAS)やPCBに代表される残留性有機汚染物質(POPs)は、その長い半減期から環境中や人体へ長期間蓄積し、製造規制後の現在も生活環境中に存在する。母から胎児への移行率が高いことから胎児への健康影響が懸念されており、これまで胎児期POPs曝露と子供の神経行動発達の関連が多数報告されてきた。これまで注意欠如多動症(Attention-deficit/hyperactivity disorder;ADHD)の発症は遺伝的要因に加え、母の妊娠中の栄養状態・喫煙・ストレス、感染症、社会経済状況等の胎児期環境や早産が要因の一部を担うと推測されてきたが、それらの環境因子に共通する要因としてサイトカインの関与が疑われていた。
申請者らは近年、ADHD発症の機序として「胎児期の神経炎症」が提唱されていることから、本研究ではケースコントロールスタディで母児100組の母体血・臍帯血中サイトカイン濃度の測定を実施し、胎児期の内分泌攪乱作用を有する残留性有機汚染物質(POPs)曝露がもたらす児のADHD症状へ、POPsによる母児の炎症反応の介在影響を検討することを計画した。
令和4年度は、令和3年度に引き続き出生前向きコホート「環境と子どもの健康に関する北海道スタディ(以下、北海道スタディ)」にてADHD-Rating scale(ADHD-RS)を含む6歳調査票
および8歳調査票の回収結果から、ADHD-RSスコアの集計とカットオフ値の設定を実施した。また、保存血液検体からの炎症性バイオマーカー測定の予備検討を実施した。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-21K10390
ID情報
  • 課題番号 : 21K10390
  • 体系的課題番号 : JP21K10390