共同研究・競争的資金等の研究課題

2000年 - 2003年

線虫C.elegansの行動の分子生物学的解析―特にamphid感覚情報の制御について―

文部科学省  科学研究費補助金(基盤研究(B))  基盤研究(B)

課題番号
12480212
体系的課題番号
JP12480212
資金種別
競争的資金

本研究は、線虫C.elegansの行動や感覚情報処理に働く遺伝子を同定し、遺伝子・細胞・神経回路・行動の関係を解析し、行動の遺伝的基盤を解明するために行われた。(a)二重変異により耐性幼虫形成制御が異常になる変異を用いて、以下の結果を得た。転写因子Tbx2ホモログがAWC嗅覚神経で嗅覚順応に働く。機能不明だったXXXL/R細胞でチロシン脱リン酸化酵素ホモログSDF-9がおそらくステロイドホルモン代謝を調節して耐性幼虫形成を制御する。多剤耐性タンパク質MRP-1が腸・咽頭・神経系で耐性幼虫形成を制御し、この働きはヒトMRP1で代替できる。(b)脱糞行動・成長・感覚が異常なクラス1flr変異と、その成長と感覚の異常を抑圧するクラス2flr変異を研究した。クラス1変異体がセロトニンで死ぬことを使って、これを抑圧する新たなクラス2遺伝子2つを発見した。クラス2変異体は寿命が短い。(c)匂い物質への走化性と銅イオンの忌避という2つの行動の選択が異常なhen-1変異体は、温度と飢餓の学習にも異常を示す。hen-1遺伝子は、成虫の2対の神経細胞で細胞非自律的に働く。また、hen-1の欠失変異は成長や発生に異常はなく、ミスセンス変異と同様の行動異常を示す。(d)餌と匂い物質ブタノンによる条件付けでブタノンへの走化性効率が上がる。この学習が異常な変異体の1つut305は、ベンズアルデヒドやイソ...

リンク情報
URL
https://kaken.nii.ac.jp/p/12480212
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-12480212
ID情報
  • 課題番号 : 12480212
  • 体系的課題番号 : JP12480212