共同研究・競争的資金等の研究課題

2019年4月 - 2022年3月

AE法を用いた炭素鋼へのレーザ焼入れ非破壊その場検査法の確立

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)(学術研究助成基金助成金)

課題番号
19K05087
体系的課題番号
JP19K05087
担当区分
研究代表者
配分額
(総額)
2,470,000円
(直接経費)
1,900,000円
(間接経費)
570,000円

焼入れ性の良いクロムモリブデン鋼(SCM440)を試料とし,ファイバーレーザによるレーザ焼入れ実験を実施,実験中に発生したマルテンサイト変態に伴うと考えられる弾性波動現象(Acoustic emission,AE)をAEセンサによって検出した.次に,試料焼入れ部(Heat-affected zone,HAZ)の光学および走査型電子顕微鏡組織観察を実施し,HAZ内部のマルテンサイト組織生成を確認した.HAZ深さおよび推定HAZ体積を測定,算出したところ,レーザ出力条件240 Wから275 Wの順にこれらが増加する関係が明確となった.なお,HAZにはレーザ焼入れによる十分なビッカース硬度上昇が確認され,マルテンサイト変態発生とマルテンサイト組織形成が改めて判断された.検出されたAE波についてAEパラメータによりデータを整理すると,先に算出したHAZ体積と高い相関関係が見られ,レーザ焼入れによるHAZおよびマルテンサイト組織の生成を,検出されたAEの情報により非破壊その場観察的に判断できる可能性を示すことができた.令和3年度は高速フーリエ変換の波形解析手法を用い,観察されたAEの周波数特性について詳細に分析した.AEを改めて注視すると,マルテンサイト変態に起因しないと考えられる突発型AEが見受けられていた.波形解析の結果からこの仮説は明確となり,レーザ加熱時の試料表面融解と再凝固に起因する突発型AEと考察することができた.これにより,マルテンサイト変態とその他の現象によるAEの区別が可能となり,より品質の高いレーザ焼入れの実施をAEから判断することが可能となると示唆された.

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-19K05087
ID情報
  • 課題番号 : 19K05087
  • 体系的課題番号 : JP19K05087

この研究課題の成果一覧

論文

  3

MISC

  3

講演・口頭発表等

  6