共同研究・競争的資金等の研究課題

2001年 - 2005年

知能ロボットによる模倣の構成論的研究

日本学術振興会  科学研究費助成事業 学術創成研究費  学術創成研究費

課題番号
13GS0006
配分額
(総額)
389,740,000円
(直接経費)
323,800,000円
(間接経費)
65,940,000円

模倣機能に関して、以下の成果を得た。
(1)行動観察・認識システム:マルチセンサ型人間日常生活行動計測システムとその統一的計測データ管理機構を実現した。さらに、大量の人間観察データからの統計的機械学習による時系列解析モデルに基づく典型行動パターンの抽出手法や、動作の識別や予測における人間の定性的な事前知識の組み込みが容易でかつ結果として推定精度を向上させうる解析手法を構築した。
(2)行動生成・修正システム:複雑な身体を持つヒューマノイドロボット自身が試行を繰り返して実現する行動修正法と、ヒューマノイドの複雑な動作を人間がその場の状況に応じて容易に教示する行動修正システムを構築した。さらに行動プランナと空間プランナを統合、それらを並列かつ相互依存的に実行する模倣システムを実現した。
(3)人間の模倣機能解明とモデル:認知心理学で「真の模倣」、「擬似模倣」として別個に扱われて来た模倣様の行動を統合し、模倣に関連する認知機能要素や脳機能と対応づけた、模倣の統合的機能マップを構築した。また、全身動作の模倣に関する身体性の情報構造理論や大域動力学構造モデル、認識・行動・概念形成・文脈処理などの脳機能に基づく行為文脈の自己組織学習と認識のニューラルネットワーク計算モデル、さらに模倣能力の創発・学習・発達モデル、を構築し実験的に検証した。
(4)行動模倣学習システム:生活支援ルーム型行動模倣学習システムを実現し、同じ目的に対して複数の手法がある場合でも、それらを学習し、状況に合わせて選択することで人間と同様の効果をもつ作業実行が可能なことを実証するとともに、等身大ヒューマノイド行動模倣統合システムを構築し、道具の形状とその柔軟な利用方法の獲得や道具利用による対象物体変形からの道具使用の意味理解ができることを実証、ロボティクスによる人の行動・作業の目的レベルでの模倣の実現可能性を示した。

ID情報
  • 課題番号 : 13GS0006