共同研究・競争的資金等の研究課題

2019年4月 - 2022年3月

運動物体の捕捉に関する認知・予測特性と運動制御特性の解析

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
19K11472
体系的課題番号
JP19K11472
配分額
(総額)
4,290,000円
(直接経費)
3,300,000円
(間接経費)
990,000円

本研究は、運動物体に対する認知・予測・運動制御局面の特性について各局面のパフォーマンスを評価し、各局面の特性がどのように捕捉パフォーマンスに関係するのか検討することが目的である。
仮想環境実験では、運動物体(ボール)が板前面を移動する間に板を変色させ、その時のボール位置を板の目盛りで回答する位置認知課題、ボールが板後方を移動する間に板を変色させ、その時の位置を板の目盛りで回答する位置予測課題を実施した。回答位置から認知速度および予測速度を求め分析した。2021年度は、被験者による実験の実施とデータの収集ができなかったため、これまで取得した実験データから、発育発達状況の異なる小学生と大学生における運動物体の認知・予測特性(認知・予測速度、錯覚量)に関する性差、および位置予測課題の試行回数による予測速度の変化に関する性差、そして位置認知課題と位置予測課題を経験した者による3年経過後の運動物体の認知特性と予測特性の加齢変化について検討した。
小学6年生を対象とした予測速度と錯覚量の比較について、予測速度には有意差はなかったが、錯覚量は男子児童の方が女子児童より有意に大きい値を示した。大学生を対象とした予測速度と錯覚量の比較について、予測速度には有意差はなかったが、錯覚量は女子大学生の方が男子大学生より有意に大きい値を示した。
位置予測課題の試行回数による予測速度の変化について検討した。女子大学生よりも男子大学生の方が、物体の運動予測錯覚が試行回数の影響を受ける傾向が見られた。
3名の女性被験者(40歳代、60歳代、70歳代)における3年後の認知予測実験結果から、認知速度について60歳代と70歳代が低下傾向を示し、70歳代で低下が顕著であり、加齢に伴い低下量が大きくなる傾向がみられた。このことから、50歳代から60歳代前半の期間が認知・予測機能低下の分岐点となる可能性が示唆された。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-19K11472
ID情報
  • 課題番号 : 19K11472
  • 体系的課題番号 : JP19K11472