2018年3月
【胆嚢癌-術前診断に応じた治療を再考する-】胆嚢癌の術前診断に応じた治療方針 T2胆嚢癌
胆と膵
- 巻
- 39
- 号
- 3
- 開始ページ
- 257
- 終了ページ
- 261
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- 医学図書出版(株)
術前診断T2(cT2)の胆嚢癌の治療方針について、自験例の成績と検索した文献から考察した。cT2胆嚢癌に対する肝切除範囲は胆嚢床切除で十分である可能性が高く、腫瘍局在が肝側の腫瘍では胆嚢床切除が原則、必要である。腹腔側の腫瘍では胆嚢床切除が省略できる可能性はあるが、現時点ではその適応は慎重に判断するべきである。少なくとも術中にリンパ節転移陰性と判定されたcT2胆嚢癌に対しては、肝外胆管を温存できることが示唆される。一方で、術中にリンパ節転移陽性と判定した胆嚢癌に対しては、自験例における肝外胆管温存例は胆外胆管切除例よりも郭清リンパ節の評価個数が少なかった結果を考慮して、われわれは肝外胆管切除を併施するほうが望ましいと考えている。cT2胆嚢癌に対するリンパ節郭清範囲は胆道癌取扱い規約第6版が定める領域リンパ節が妥当であり、この範囲をen blocに郭清することが重要である。(著者抄録)
- ID情報
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- ISSN : 0388-9408
- ISBN : 9784865172614
- 医中誌Web ID : 2018190914