2021年4月 - 2026年3月
多次元先端映像解析を駆使した顕微鏡手術「複雑性」の解明
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
本研究の目的は、外科手術の機能や安全性、術者スキルに関わる重要な要素を探索することであり、この先にアウトカム予測、有害イベント予測、術者スキル評価AIなどを目指すものである。
令和3年度は、頚動脈狭窄症に対する動脈内膜剥離術に焦点を当て、手術映像の解析に着手した。頚動脈を剥離する際の、頚動脈の動き(加速度)に着目し、これを手術映像から測定することで、“組織に対する愛護的な手術操作”の新たな指標と仮定した。117例の頚動脈内膜剥離術中映像の網羅的解析により、この新たな指標が、手術スキルおよび手術合併症に相関することが証明された。また、この指標を用いることにより、どの様な手術剥離法が客観的に有用であるか(組織に対して愛護的であるか)を示すことが可能になった。さらには、このような手術パフォーマンスの指標が、従来の研究で多く用いられてきた患者側の指標と同等以上に、治療成績にも相関することが多変量解析の結果からも証明し得た。本研究結果を、現在英語論文として投稿準備中である。
また、微小脳血管吻合のトレーニング映像を用いて、術具の先端を自動追跡する深層学習アルゴリズム、手術操作の対象となる微小血管をセグメンテーションするアルゴリズムの作成を開始し、おおむね精度の高いアルゴリズムが形成されてきている。これらを用いて、術具の軌道分析や、患者組織の変形分析などを行い、術者レベルや血管吻合成否に関与する因子の網羅的探索を継続している。
令和3年度は、頚動脈狭窄症に対する動脈内膜剥離術に焦点を当て、手術映像の解析に着手した。頚動脈を剥離する際の、頚動脈の動き(加速度)に着目し、これを手術映像から測定することで、“組織に対する愛護的な手術操作”の新たな指標と仮定した。117例の頚動脈内膜剥離術中映像の網羅的解析により、この新たな指標が、手術スキルおよび手術合併症に相関することが証明された。また、この指標を用いることにより、どの様な手術剥離法が客観的に有用であるか(組織に対して愛護的であるか)を示すことが可能になった。さらには、このような手術パフォーマンスの指標が、従来の研究で多く用いられてきた患者側の指標と同等以上に、治療成績にも相関することが多変量解析の結果からも証明し得た。本研究結果を、現在英語論文として投稿準備中である。
また、微小脳血管吻合のトレーニング映像を用いて、術具の先端を自動追跡する深層学習アルゴリズム、手術操作の対象となる微小血管をセグメンテーションするアルゴリズムの作成を開始し、おおむね精度の高いアルゴリズムが形成されてきている。これらを用いて、術具の軌道分析や、患者組織の変形分析などを行い、術者レベルや血管吻合成否に関与する因子の網羅的探索を継続している。
- ID情報
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- 課題番号 : 21K09091
- 体系的課題番号 : JP21K09091