講演・口頭発表等

東日本大震災により発生した福島第一原発事故に伴う海洋汚染及び洋上漂流物の海洋拡散シミュレーション

日本学術振興会リスクベース設備管理第180委員会平成26年度第4回研究会
  • 小林 卓也

開催年月日
2015年3月
記述言語
日本語
会議種別
開催地
東京
国・地域
日本

原子力機構では、青森県六ケ所村に立地する使用済燃料再処理施設の海洋放出口から排出される廃液の海洋拡散シミュレーションシステムを構築することを目的とした研究テーマを実施していた。2011年3月に発生した福島第一原子力発電所事故では大量の放射性物質が海洋に放出され、それらの移行予測が喫緊の課題であった。そこで開発中の海洋拡散シミュレーションシステムを福島沖に適用し、詳細な海洋拡散シミュレーションを実施した。まずはじめに海洋へ直接放出された放射性物質の量を海洋モニタリング値から逆推定し、福島沿岸域のシミュレーションを実施した。その予測結果は海洋モニタリング値を高精度で予測することに成功するとともに、2011年4月に発生したコウナゴに対する高濃度汚染の原因を大気降下物によるものであることを推定した。また、東日本大震災で発生した洋上漂流物は、航行中の船舶に対する衝突の恐れがあるとともに、北米沿岸域に到達し、外来生物の漂着が懸念されていた。そこで震災起源の洋上漂流物のシミュレーションを複数の研究機関と連携して実施した。その結果、震災起源の漂流物の漂着位置と時期を正確に予測することに成功した。

リンク情報
URL
https://jopss.jaea.go.jp/search/servlet/search?5050437