2020年8月 - 2025年3月
心的イメージの脳情報表現の可視化
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(S) 基盤研究(S)
- 課題番号
- 20H05705
- 体系的課題番号
- JP20H05705
- 担当区分
- 研究分担者
- 配分額
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- (総額)
- 196,690,000円
- (直接経費)
- 151,300,000円
- (間接経費)
- 45,390,000円
イメージは心の状態を構成する重要な要素である。本研究では、イメージの階層的情報処理に注目し、深層ニューラルネットワークの情報表現を用いた脳情報デコーディングアプローチを拡張することにより、錯視や幻覚を含む多様なイメージが生成される脳情報処理メカニズムを解明することを目指している。2020年度は、特徴ベース深層イメージ再構成法、および、end-to-end 深層イメージ再構成法を拡張し、繰り返し計算なしに画像を出力する方法を確立した。生成モデルへの入力信号を、デコーディングに用いる深層ニューラルネットワーク(DNN)モデルと対応付けることで、脳からデコードした特徴パターンから一回の計算で高精度の再構成画像を生成することが可能となった。この方法でfMRIおよびECoGデータの解析を行い、従来手法とパフォーマンスを比較した。錯視の脳内イメージ可視化に関して、主観的輪郭刺激とネオンカラー錯視図形を見せたときの脳活動から画像を再構成する実験・解析を進めた。刺激画像のDNN特徴からは、錯視効果を反映する画像は生成されなかったにも関わらず、脳からデコードしたDNN特徴を用いると、主観的輪郭や色の広がりを含む画像が生成された。睡眠中の脳内イメージ可視化に関しては、前年度までに取得したデータを用いて再構成解析を進め、生成された画像の特徴と夢報告の内容を比較した。これまでの解析では、生成画像と夢の言語報告との間に明確な対応関係は見いだされていない。また、レム睡眠のデータを効率的に取得するため、入眠直後に高頻度でレム睡眠を誘導することが知られているオレキシン受容体拮抗薬を被験者に服用させる実験を計画し、大学の倫理委員会にて承認された。
- リンク情報
- ID情報
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- 課題番号 : 20H05705
- 体系的課題番号 : JP20H05705