2019年4月 - 2024年3月
東南極沿岸での海域-陸域シームレス掘削による最終間氷期以降の氷床変動史の復元
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(A) 基盤研究(A)
最終氷期における東南極氷床の最大拡大域と,その後の氷床融解過程を復元するため,東南極のトッテン氷河沖,ケープダンレー,およびリュツォホルム湾で採取した深海堆積物の高精度放射性炭素年代測定とAuthigenicベリリウム同位体比を分析することで,東南極沿岸地域における氷床→棚氷→海氷環境への変遷過程の復元を試みた.とくに,有孔虫化石の酸素・炭素同位体分析から,過去の周極深層水(Circumpolar deep water: CDW)の流入の復元が可能であることが明らかになり,今後氷床融解とCDW流入との関係を解明するための糸口を掴んだ.
また,ノルウェー,スウェーデン,デンマーク,およびアメリカのチーム,さらにはスイス・トルコの研究グループとの共同研究も展開し,現地調査と最新手法を用いた年代測定を実施しており,これらを総合して,東南極の広範囲から多くの氷床変動データが得られるようになった.とくに中央ドロンニングモードランドでは,表面露出年代測定と高精度氷床モデルシミュレーションによる再現から約9000-6000年前頃に東南極氷床が急激に高度を減じたことが明らかになった.この結果は,現在論文として投稿中である.このように,分担者による固体地球の粘弾性変形(GIA)モデルシミュレーションだけでなく,氷床モデルや海洋モデル研究者との共同研究関係も確立するなど,研究コミュニティーを他分野・多国籍メンバーに拡大することで,重要な論文執筆につなげることができた.
また,ノルウェー,スウェーデン,デンマーク,およびアメリカのチーム,さらにはスイス・トルコの研究グループとの共同研究も展開し,現地調査と最新手法を用いた年代測定を実施しており,これらを総合して,東南極の広範囲から多くの氷床変動データが得られるようになった.とくに中央ドロンニングモードランドでは,表面露出年代測定と高精度氷床モデルシミュレーションによる再現から約9000-6000年前頃に東南極氷床が急激に高度を減じたことが明らかになった.この結果は,現在論文として投稿中である.このように,分担者による固体地球の粘弾性変形(GIA)モデルシミュレーションだけでなく,氷床モデルや海洋モデル研究者との共同研究関係も確立するなど,研究コミュニティーを他分野・多国籍メンバーに拡大することで,重要な論文執筆につなげることができた.
- ID情報
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- 課題番号 : 19H00728
- 体系的課題番号 : JP19H00728
この研究課題の成果一覧
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論文
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Polar Data Journal 8 1-9 2024年2月 査読有り筆頭著者責任著者
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地質学雑誌 129(1) 567-571 2023年11月2日 査読有り
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Nature Communications 14(1) 2023年4月18日 査読有り
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Communications Earth & Environment 4(1) 2023年1月5日 査読有り
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Polar Data Journal 2022年12月 査読有り
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Communications Earth & Environment 3(1) 2022年11月9日 筆頭著者責任著者
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Quaternary Geochronology 2022年8月 査読有り最終著者
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Quaternary Science Reviews 286 2022年6月 査読有り
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Paleontological Research 2022年2月 査読有り最終著者
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Geology 2021年6月 査読有り最終著者
MISC
1-
南極資料 64 330-350 2020年11月