2020年4月
尿道下裂手術後30年が経過した患者に生じたフルニエ壊疽の治療経験
創傷
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- 巻
- 11
- 号
- 2
- 開始ページ
- 92
- 終了ページ
- 95
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- (一社)日本創傷外科学会
症例は38歳男性で、排尿障害、陰嚢腫大を主訴とした。生下時に46XY性分化疾患と診断され、9歳時に尿道下裂に対する尿道形成術の既往があった。尿培養よりPeptostreptococcus spesies、Morganella morganii、Lactobacillus speciesを認め、陰茎基部左側の潰瘍部培養からEnterococcus faecalisを検出した。単純CTで両側鼠径部を主体に広範囲に皮下軟部組織の網状濃度上昇を認め、フルニエ壊疽と診断し、緊急手術により膀胱瘻造設とデブリードマンを施行した。抗生剤はMEPM点滴投与から手術後6日目よりABPC/SBT経口投与へ変更した。感染が鎮静化したため手術後37日目に尿道狭窄に対する尿道拡張術と、皮膚欠損に対する左大腿分層皮膚植皮を施行し、植皮の生着は良好であった。初回手術より54日後に自宅退院し、術後2年経過して排尿障害の再発もなく経過は良好である。
- ID情報
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- eISSN : 1884-880X
- 医中誌Web ID : 2020248878