共同研究・競争的資金等の研究課題

2021年4月 - 2023年3月

メラノーマ免疫療法の賦活化 - 抗PD-1抗体と腫瘍溶解性ウイルスの併用療法

日本学術振興会  科学研究費助成事業 若手研究  若手研究

課題番号
21K16219
体系的課題番号
JP21K16219
配分額
(総額)
4,420,000円
(直接経費)
3,400,000円
(間接経費)
1,020,000円

悪性黒色腫はメラノサイト由来の悪性腫瘍であり、その転移率の高さから進行期の予後は極めて不良である。近年、免疫チェックポイント阻害薬や分子標的薬などの登場によって、メラノーマの薬物療法は飛躍的に進歩した。これらの薬剤は術後補助療法のみならず、これまで有効な治療法のなかった遠隔転移に対しても一定の効果が認められ、その重要性は今後もますます高まっていくと考えられる。薬物療法の奏効率を高めるために、最適な併用療法が模索される一方で、薬剤の副作用は解決すべき大きな問題である。
いま新たな癌治療法として注目を集めている腫瘍溶解性ウイルスは、癌細胞選択的に感染・増殖し、内部から細胞を破壊する。正常細胞内では増殖しないため、重大な副作用がないとされる。さらに、宿主の抗腫瘍免疫活性を賦活化させることで、直接ウイルスを投与していない腫瘍に対しても治療効果を発揮することが示唆されている。2017年には腫瘍溶解性ウイルスと抗Programmed cell death protein 1 (PD-1)抗体の併用療法の有用性が報告された。腫瘍溶解性ウイルスは、併用療法の副作用の問題を軽減しつつ、抗腫瘍効果を高めることができる新たな治療の選択肢として大きな期待が寄せられている。
本研究は、腫瘍溶解性ウイルスと抗PD-1抗体の併用により、センチネルリンパ節や脾臓においてどのような変化が生じるかを検証し、腫瘍溶解性ウイルスの免疫賦活化の機序を詳細に検討することを目的とする。マウスにメラノーマを播種したモデルに各種薬剤を投与し、腫瘍のサイズ、肺・鼠径リンパ節・腋窩リンパ節への遠隔転移、膝窩リンパ節・脾臓のリンパ球分布・遺伝子発現の変化を解析することで、腫瘍溶解性ウイルスと免疫チェックポイント阻害薬の併用療法による免疫賦活化を証明する。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-21K16219
ID情報
  • 課題番号 : 21K16219
  • 体系的課題番号 : JP21K16219