共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年4月 - 2023年3月

低解像度ADCを用いたミリ波・大規模MIMO信号検出のための確率伝搬法の設計

日本学術振興会  科学研究費助成事業 若手研究  若手研究

課題番号
20K14734
体系的課題番号
JP20K14734
配分額
(総額)
3,380,000円
(直接経費)
2,600,000円
(間接経費)
780,000円

5G Advancedや6Gでは、サイバー空間 (仮想空間) とフィジカル空間 (現実空間) を高度に接続するための無線空間を提供することが期待されており、大量の無線端末からデータ集約を行うための上り回線通信が重要な役割を担う。本研究課題では、このような通信形態を実現する物理層技術としてミリ波・大規模マルチユーザMIMO (Multi-Input Multi-Output) に着目し、その実現に際しての課題解決を目的とする。
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昨年度成果である低解像度ADC (Analog-to-Digital Converter) 出力に基づく多次元信号検出手法の開発において、我々はBussgang分解を用いた確率伝搬法に基づく検出器を提案し、低演算量で高精度な信号検出が可能であることを示した。しかし、この手法は量子化ビット数が極端に少ない場合に性能が劣化する問題があった。そこで本年度は、量子化ひずみそのものを推定し、量子化された信号から量子化される前の観測信号を復元する手法をベイズ推論の枠組みで提案することで、性能改善が可能となることを明らかにした。さらに、昨年度までは信号検出のみに着目していたが、本年度は量子化器出力に基づく通信路推定についても検討を行い、昨年度の研究成果である通信路とデータの同時推定手法を量子化された観測信号に対しても利用できる形態へ発展させた。
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また、別の昨年度成果として、受信機側でのフルデジタルビームフォーミングを前提としたビーム領域における部分空間周辺化法を提案したが、本年度は信号検出の低演算量化に着目し、ビーム領域のミリ波通信路の疎 (スパース) 性を利用する局所的線形フィルタ検出を検討した。従来法ではフィルタの次元縮小による性能劣化が避けられなかったが、複数の局所フィルタ出力を適切に合成することにより、計算量を低く抑えたまま検出精度を向上することに成功した。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20K14734
ID情報
  • 課題番号 : 20K14734
  • 体系的課題番号 : JP20K14734

この研究課題の成果一覧

論文

  11

MISC

  22

講演・口頭発表等

  1