2016年
冬期の積雪操作処理が生育期における土壌性トビムシの群集構造に与える影響
日本森林学会大会発表データベース
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- 巻
- 127
- 号
- 0
- 開始ページ
- 709
- 終了ページ
- 709
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- DOI
- 10.11519/jfsc.127.0_709
- 出版者・発行元
- 日本森林学会
北方林の土壌は,積雪によって季節凍結から保護されており,冬期の土壌生物群集に大きく影響する.近年の気候変動において,高緯度域での積雪環境の極端な変化が予測されているが,温帯域の季節凍結土壌における土壌節足動物への影響はまだあまりわかっていない.本研究では,北海道東部の冷温帯落葉広葉樹林における除雪実験を行い,土壌凍結頻度の変化が土壌性トビムシ群集に対してどのような影響を与えるのかを調査した.トビムシの個体数,種数,多様度指数は除雪区でいずれも有意に減少し,この効果は春先の凍結融解直後だけでなく,4ヶ月後にも持続していた.トビムシ群集間の種の入れ替わりを示す個体数比非類似度は季節間で異なっていたが,処理間での違いは見られなかった.群集間の個体数変化に付随した個体数傾度非類似度は,季節間,処理間で異なっていた.従って,冬期の積雪減少に伴う土壌環境の変化は,トビムシ群集の個体数と種の欠損をもたらし,また秋になっても除雪ストレスの影響は持続することが明らかとなった.凍結直後に除雪区で優占した種は,生育期には減少していたため,除雪処理が特定の種に有利に働く影響はないと考えられた.
- リンク情報
- ID情報
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- DOI : 10.11519/jfsc.127.0_709
- ISSN : 2187-6576
- J-Global ID : 201602254170320741
- CiNii Articles ID : 130005167327