受賞

2019年12月

若手研究者奨励賞

日本社会心理学会
  • 尾崎 拓

タイトル
「みんな」とは何割か: 記述的規範の閾値・個人差・個人内過程

多数の他者が望ましい行動をとっているという情報にもとづく社会規範 (記述的規範) を用いた社会的介入の有効性は、すでに多くの領域で示されている。しかし、効果の有無という定性的な証拠の多さに比べて、どの程度の多くの他者による規範が、どの程度の強さの効果をもたらすのかという定量的な証拠は多いとはいえない。本研究では、望ましい行動をとっている他者の割合を、記述的規範として複数水準反復して提示することで、1) 記述的規範が効果を生じさせる閾値を特定すること、2) 項目反応理論を用いて記述的規範への感度の個人差を推定し、尺度として活用できるか検討すること、3) 統制群と記述的規範群の比較によって検討されてきた個人間の対応関係だけでなく、記述的規範が行動に及ぼす影響の個人内での対応関係を明らかにすることを目的とする。