2013年
市区町村によるISO14001取得要因の実証分析
環境科学会誌
- ,
- 巻
- 26
- 号
- 4
- 開始ページ
- 357
- 終了ページ
- 365
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 研究論文(学術雑誌)
- DOI
- 10.11353/sesj.26.357
- 出版者・発行元
- SOCIETY OF ENVIRONMENTAL SCIENCE, JAPAN
本稿の目的は,回帰分析を通して市区町村によるISO14001取得の要因を明らかにすることにある。企業・事業所のISO14001取得に関する先行研究では,地方公共団体の取得支援政策が取得を促進していることが示され,また,ISO14001を取得している市区町村の方が支援政策を積極的に行っていることが明らかになっている。そこで本稿では,市区町村によるISO14001の取得を分析対象とした。本稿ではとりわけ模倣によるISO14001の取得に着目し,市区町村による取得件数増加が多かった1998年度から2003年度のパネルデータを用いて,固定効果パネルロジットモデルで推定し,検証した。<BR>実証分析の結果から,次のことが分かった。まず,同一都道府県内の市区町村の取得を模倣した可能性が示唆された一方で,都道府県の取得行動を模倣した可能性は示唆されなかった。その他の要因としては,財政状況が悪いほど,市区町村のISO14001取得の確率は高くなることが明らかにされた。この結果は,ISO14001による行政運営の効率化を期待して取得した可能性を示唆している。また,環境問題に熱心な新たな市区町村長がISO14001を取得した例があるものの,平均的に見れば,市区町村長の入れ替わりがなく続投する場合にISO14001を取得する可能性が高いことを示唆する結果が得られた。
- リンク情報
- ID情報
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- DOI : 10.11353/sesj.26.357
- ISSN : 0915-0048
- CiNii Articles ID : 10031188100
- CiNii Books ID : AN10165252