MISC

2017年9月

手術により救命しえた全身状態不良に陥った難治性膵性腹水の3例

日本消化器外科学会雑誌
  • 亀井 敬子
  • ,
  • 松本 逸平
  • ,
  • 川口 晃平
  • ,
  • 松本 正孝
  • ,
  • 村瀬 貴昭
  • ,
  • 里井 俊平
  • ,
  • 中居 卓也
  • ,
  • 竹山 宜典

50
9
開始ページ
713
終了ページ
720
記述言語
日本語
掲載種別
DOI
10.5833/jjgs.2016.0207
出版者・発行元
(一社)日本消化器外科学会

保存的治療が奏効せず,全身状態不良となった難治性膵性腹水3症例に対し手術を行い,症状改善し,救命しえた.手術時期,適応,術式選択につき検討したので報告する.症例1は58歳の男性で,アルコール性慢性膵炎フォロー中の患者で,CTにて膵管破綻部は不明であったが膵頭部膵石,尾側主膵管拡張を認め,Frey手術を施行した.症例2は50歳の男性で,アルコール性急性膵炎フォロー中のCTにて門脈直上の膵頸部に主膵管から膵前面に連続する膵管破綻部を認め,Bracey手術を施行した.症例3は71歳の男性で,アルコール性急性膵炎患者の膵管造影で,膵頭部嚢胞を介し造影剤の腹腔内への漏出を認めた.亜全胃温存膵頭十二指腸切除術を施行した.全例で術前炎症反応上昇,低アルブミン血症,貧血を認めた.2例で術後呼吸器合併症,膵液瘻を認めた.保存的治療に抵抗性の膵性腹水は全身状態の悪化を招くため,時期を逸さず積極的な外科治療を考慮すべきである.手術に際し,個々の病態に応じた術式選択が極めて重要である.(著者抄録)

リンク情報
DOI
https://doi.org/10.5833/jjgs.2016.0207
ID情報
  • DOI : 10.5833/jjgs.2016.0207
  • ISSN : 0386-9768
  • 医中誌Web ID : 2018056929

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