基本情報

所属
愛知学院大学 文学部 歴史学科 准教授
学位
博士・学術(2019年2月 東京大学)
修士・欧州研究(2010年3月 東京大学)
学士・文学(2008年3月 東京大学)

連絡先
tmommadpc.agu.ac.jp
研究者番号
90868291
J-GLOBAL ID
201401035344912765
researchmap会員ID
B000242866

ユーゴスラヴィア近現代史の潮流に応じたクロアチアのナショナリズムの展開について研究しています。

〔1〕研究内容

博士論文「ウスタシャ運動と「知識人」のナショナリズム ― クロアチア独立国の民族統治を巡る「主体性」―」(東京大学大学院)
:枢軸国陣営の傀儡国家「クロアチア独立国」(1941-45)において政治指導者たるウスタシャおよび体制派知識人がプロパガンダ(報道・教育)を通じて発揮したナショナリズムの動態について分析した。特に「民族共同体」建設の過程で指導部が講じた懐柔的政策、またそれに対する知識人層の「抵抗/追従」という図式に還元され得ない複雑な行動様式を明らかにした。

現在の研究テーマ:

・「社会主義ユーゴスラヴィアにおける「記憶の政治」と犠牲者ナショナリズム」
:社会主義期クロアチアにおける「犠牲者ナショナリズム」の構築に際し、50年代から「クロアチアの春」に至るまでの学校教育・出版事業・青年運動などが果たした役割について分析を進めている。

・「退役軍人連盟のグローバル・ヒストリー」
:パルチザン兵士らにより結成された退役軍人連盟の活動について、特に国外活動に焦点を当てながら、その経験が上記の「犠牲者ナショナリズム」の構築にいかなる働きを為したか分析を進めている。

〔2〕研究会(共同研究グループ)

① グローバル・ユーゴスラヴィア研究会〔2020年度~〕
:これまで「一国史」の文脈に回収されがちだったユーゴスラヴィア史の展開とその内部で発生した歴史的諸問題について、脱ポストコロニアル的理解を目指しながら、バルカン/中東欧/ヨーロッパ/グローバルといった異なる地域的フレームワークから再考する。その共同研究の一部成果は研究会HPを通じて公開する。https://www.yugoesglobal.com/

②「東欧のファシズム」研究会〔2018年度~〕
:両大戦間期から第二次世界大戦期までの東欧諸国における「ファシズム」の特性を比較・分析する。その際に独伊・ソ連の干渉地たる東欧諸国の歴史的かつ地政学的環境を考慮しながら、国内問題と国際情勢が絡み合う中、種々のアクターによる「ファシズム」の模倣あるいは再解釈を通じて「東欧のファシズム」がいかにして構築されたか解明する。

③ グレーゾーン研究会〔2018年度~〕
:プリーモ・レーヴィの提唱した「灰色の領域」の概念、およびその歴史学研究への応用可能性について、日本史・東洋史・西洋史の枠組みを架橋しながら探求する。特に枢軸国占領期欧州社会、日本統治期中国社会を比較対象としながら、「帝国主義」のグローバルな文脈を背景とした統治体制の構築、並びに対独・対日協力者(コラボ)の政治的志向または実践について分析・考察する。研究成果として、共編著『グレーゾーンと帝国:歴史修正主義を乗り越える生の営み』(勉誠出版、2023年)を刊行した。


経歴

  13

論文

  11

MISC

  10

書籍等出版物

  6

講演・口頭発表等

  43

担当経験のある科目(授業)

  15

共同研究・競争的資金等の研究課題

  18

委員歴

  4

その他

  15