2014年
左室基部後壁起源の心室性期外収縮により心室細動を繰り返した特発性心室細動の1例
心臓
- 巻
- 46
- 号
- 2
- 開始ページ
- S2_56
- 終了ページ
- S2_61
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- DOI
- 10.11281/shinzo.46.S2_56
- 出版者・発行元
- Japan Heart Foundation
生来健康の27歳男性. 父親が57歳時に突然死している. 深夜飲酒中に心室細動をきたし当院に搬送された. 心肺蘇生, 低体温療法を施行し, 後遺症なく回復した. 心エコー, 心臓MRI, 冠動脈CTで器質的心疾患は認めなかった. Type 3 Brugada型心電図を認めたが, ICD植え込み後に施行したピルシカイニド負荷試験ではtype 1様波形変化が1誘導のみであり, 特発性心室細動と診断した. また, 同検査中に右脚ブロック, 左軸偏位型の心室性期外収縮を認めた. 運動負荷試験後の夜間から早朝にこの心室性期外収縮より心室細動が惹起され, ショック作動を繰り返した. 心臓電気生理検査では左室基部後壁心外膜側に心室性期外収縮の起源を認め, 心内膜側から焼灼を試みたが, 完全には抑制されなかった. その後, ベプリジル内服により心室性期外収縮, 心室細動は抑制され, 以後9カ月間再発なく経過している. 心室細動を惹起する心室性期外収縮の起源が同定され, bepridilが奏功した特発性心室細動症例を経験したので文献的考察を加えて報告する.
- リンク情報
- ID情報
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- DOI : 10.11281/shinzo.46.S2_56
- ISSN : 0586-4488
- CiNii Articles ID : 130005103954