共同研究・競争的資金等の研究課題

2016年4月 - 2020年3月

広い空間での遠隔作業指示に有効な予期を可能にする非言語表現の伝達手法

日本学術振興会  科学研究費助成事業 若手研究(B)  若手研究(B)

課題番号
16K16097
体系的課題番号
JP16K16097
配分額
(総額)
3,900,000円
(直接経費)
3,000,000円
(間接経費)
900,000円

機器に関するサービス,保守,安全性の向上などを目的とし,現地の「作業者」の状況を把握しながら遠隔地の熟練「指示者」が作業者へ指示を出す遠隔作業指示の必要性が高まっている.本研究では,コミュニケーションにおける予期を可能にし,作業を円滑にする,身振りや手ぶりといった非言語表現に着目している.これらを提示可能なシステムを構築し,コミュニケーションにおける対話者の行為の理解・予期に関するメカニズムを解明することを目的としている.
平成30年度は,昨年度までに開発した遠隔作業指示システムについて,より精度の高い情報を取得できるよう改良を行った.具体的には,指示者が観察する作業空間の3次元情報をKinectからIntel社のRealsenseで取得するようにし,また,作業指示のための,指示者の非言語表現の取得を,KinectからOptitrackへ変更した.
構築したシステムを用いて,指示者の非言語表現を手先のみ,腕と手先,全身,と選択的に作業者に見せることで,作業効率や印象,ユーザビリティにどのような影響を及ぼすか実験を行った.実験の結果,全身アバタを備えた遠隔指示システムのユーザビリティは,それ以外の条件よりもより高い評価を得た.加えて,作業者は,全身アバタの方が手のみのアバタよりも容易に追跡することができた.今後は,実験時に撮影したビデオを分析し,指示者の非言語表現によって,作業者が次の指示の予期ができているかどうか,また,その速度が向上しているかを確認する予定である.
成果については2019年3月の情報処理学会インタラクション2019シンポジウム,およびIEEE-VR2019にてポスター発表を行った.

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-16K16097
ID情報
  • 課題番号 : 16K16097
  • 体系的課題番号 : JP16K16097