講演・口頭発表等

中性子回折で探るEu$X$$_{4}$($X$=Al, Ga)の対照的な基底状態

日本中性子科学会第14回年会(JSNS 2014)
  • 金子 耕士
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  • 川崎 卓郎
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  • 仲村 愛*
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  • 茂吉 武人*
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  • 宗像 孝司*
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  • 中尾 朗子*
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  • 花島 隆泰*
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  • 鬼柳 亮嗣
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  • 大原 高志
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  • 及川 健一
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  • 田村 格良
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  • 辺土 正人*
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  • 仲間 隆男*
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  • 大貫 惇睦*

開催年月日
2014年12月
記述言語
日本語
会議種別
開催地
札幌
国・地域
日本

Euイオンは、2価ではS=7/2で磁性を有し、3価ではスピンと軌道磁気モーメントがキャンセルすることにより非磁性となる。すなわち、価数が磁性、軌道と密接な関わりをもっている。Eu化合物では、価数揺動や重い電子状態に加え、超伝導など多彩な物性を示すことから、微視的状態に興味が持たれている。Eu$X$$_{4}$ ($X$ = Al, Ga)では、Euは2価の電子状態を取り、S=7/2で記述される安定した磁性を示す一方、同じ価電子数をもつ2つの化合物において、EuGa$_4$が$T_N$=16Kの反強磁性転移を示すのに対し、EuAl$_4$は基底状態に至るまでに5つの転移点を持つ、複雑な物性を示すことが見出された。この違いを生じる起源は未知である。違いを生む機構を解明する上で、中性子は微視的知見が得られる最適なプローブである。反面、Euは中性子吸収体である上、同位体も高価であることから、中性子による研究は困難を伴う。今回J-PARC/MLFの単結晶中性子回折計SENJUにおいて、同位体置換なしの試料で実験を行った。その結果、転移に伴う超格子反射の観測に成功し、2つの化合物の違いを明らかにしたので報告する。

リンク情報
URL
https://jopss.jaea.go.jp/search/servlet/search?5049669