田中篤司

J-GLOBALへ         更新日: 18/10/15 20:18
 
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研究者氏名
田中篤司
 
タナカ アツシ
URL
http://www.comp.tmu.ac.jp/tanaka_atushi/ja/
所属
首都大学東京
部署
理学部 物理学科
職名
助教
学位
博士(理学)(東京工業大学), 修士(理学)(東京工業大学)
科研費研究者番号
20323264
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UA-20741013-2
ORCID ID
0000-0002-1070-6336

プロフィール

東京工業大学応用物理学科卒業後、同大学院で博士(理学)を取得。現在は首都大学東京物理学教室助教。専門は量子物理学、非線形物理学、特に量子カオス。主たる課題として、新奇な量子ホロノミー(全のアンホロノミー)や量子カオスといった量子動力学の基本問題を理論的な方法を通じて調べています。

連絡先は左記メニューの連絡先( https://researchmap.jp/tanaka-atushi/contact/ )をご覧ください。

研究分野

 
 

論文

 
Atushi Tanaka and Taksu Cheon
Functional Analysis and Operator Theory for Quantum Physics. A Festschrift in Honor of Pavel Exner, eds.J. Dittrich, H. Kovarik, A. Laptev (EMS Publ. House)   531-542   2017年5月   [査読有り][招待有り]
閉じた量子系の断熱的な時間発展は、始点での定常状態と終点での定常状態を結びつける。本論文では、このような定常状態の結びつきかたが断熱経路のトポロジカルな性質で統制されることを示し、その背景に被覆空間と呼ばれる位相幾何学的な構造があることを明らかにした。例題として、ゆっくりとした変調を受けた周期外力系を論じた。これらの解析は、断熱閉経路における新奇な量子ホロノミーの研究での結果を基にしたものである。
Atushi Tanaka and Taksu Cheon
New Journal of Physics   18 45023-1-45023-7   2016年4月   [査読有り][招待有り]
一次元空間中に閉じこめられた基底状態にあるボーズ粒子を非平衡状態に導くような断熱サイクルを構成した。断熱サイクルでは、デルタ関数で記述されるポテンシャル障壁を印加し、その強度と位置をゆっくりと変化させる。この断熱サイクルの終了後の系は、全てのボーズ粒子が一粒子系の第一励起状態を占有するような非平衡状態に達する。
Sho Kasumie, Manabu Miyamoto and Atushi Tanaka
Physical Review A   93(4) 042105-1-042105-5   2016年4月   [査読有り]
一次元空間中に閉じ込められた質点を定常状態に準備する。ここに断熱サイクルを施すと終状態が始状態とは異なる定常状態となることを見いだした。このサイクルでは、無限に鋭い壁を導入しその強度と位置を変化させる。いろいろなパラメーターの値を取るサイクルを組み合わせることで、任意の定常状態を繋げることが可能となる。無限に深い井戸での閉じこめの場合について詳細を説明した。これはハミルトン系での新奇な量子ホロノミーの一例である。
Atushi Tanaka and Taksu Cheon
Physics Letters A   379(30-31) 1693-1698   2015年9月   [査読有り]
新奇な量子ホロノミーの数理的背景を明らかにした。ここでは、断熱サイクルを、それが系に引き起す変化を通じて分類する位相幾何学的な枠組みを構築した。これを利用することで、スピン-1/2系では、ブロッホベクトルに関係する物理量のトポロジカル欠陥に着目することで、どの断熱サイクルが新奇な量子ホロノミーを起こすかを判定できるようになった。
Atushi Tanaka, Sang Wook Kim and Taksu Cheon
Physical Review E   89(4) 42904-1-42904-8   2014年4月   [査読有り]
新奇な量子ホロノミーは、Kato の例外点と呼ばれる非エルミート縮退と対応することがある。この考えを利用し、量子カオスの研究で良く調べられる撃力下のスピン系にて高い縮退次数を持つ例外点を系統的に構成できることを示した。高い縮退次数を持つ例外点は珍しく、これを物理系で見つけることは、多次元のパラメータ探索が必要であり一般には難しい。このため、ここで調べた模型は例外点を調べる上で興味深い。
Atushi Tanaka, Nobuhiro Yonezawa and Taksu Cheon
Journal of Physics A: Mathematical and Theoretical   46(31) 315302-1-315302-17   2013年7月   [査読有り]
エルミートな断熱サイクルが誘発する新奇な量子ホロノミーと、非エルミート的な準位縮退(例外点)の関係を一次元空間中の二体ボーズ系で調べた。ここではボーズ粒子間の結合強度の解析接続から例外点を得た。新奇な量子ホロノミーでの断熱サイクルに沿った断熱状態の変化と、非アーベル的なゲージポテンシャルの経路に沿った積分(指数関数)との関係を具体的な計算を通じて示した。
Nobuhiro Yonezawa, Atushi Tanaka and Taksu Cheon
Physical Review A   87(6) 062113-1-062113-6   2013年6月   [査読有り]
新奇な量子ホロノミーが量子多体系で起きることを示した。ここで取りあげた系は Lieb-Liniger 模型と呼ばれる一次元空間中のボーズ粒子が相互する系である。自由粒子から Tonks-Girardeau 領域と super-Tonks-Girardeau 領域を経て自由粒子に戻る断熱サイクルが、新奇な量子ホロノミーを引き起す。このサイクルは現在の実験技術で実現可能である点でも興味深い。
Akiyuki Ishikawa, Atushi Tanaka, Kensuke S. Ikeda and Akira Shudo
Physical Review E   86(3) 036208-1-036208-14   2012年9月   [査読有り]
動的トンネル現象との関連を論じるため、二次元保測写像での相空間内の不連続性に起因する回折効果を調べた。古典相空間が十分鋭く分断されているとき、回折は規則的な状態とカオス的な状態間の遷移を統制する。これを明白に論じるための座標系を導入し半古典論で解析した。この結果は、相空間が鋭く分けられている場合についての、規則運動とカオス運動に対応する二種類の量子状態間の遷移がカオスと無関係であることを示唆する。
Atushi Tanaka, Taksu Cheon and Sang Wook Kim
Journal of Physics A: Mathematical and Theoretical   45(33) 335305-1-335305-20   2012年7月   [査読有り]
幾何学的位相と新奇な量子ホロノミーを統一的に扱うゲージ理論に対する、一組のゲージ不変量を同定した。ひとつは固有空間の交換を記述する置換行列、もうひとつは非対角的な幾何学的位相である。具体例として、任意の数のキュービットを含み得る階層的な量子回路についてゲージ不変量を調べた。この量子回路の置換行列を陽に求めるにはある NP完全問題の解が一般に必要なことを指摘した。
Atushi Tanaka
Journal of the Physical Society of Japan   80(12) 125002-1-125002-2   2011年11月   [査読有り]
断熱定理は Born and Fock (1928)による物理的な証明以来多くの拡張が得られている。いわゆる量子カオスの研究で頻出する量子写像系(撃力的な周期摂動を受ける系)では、断熱定理の成立が疑問視されていた。その困難は、周期外力系での Young and Deal (1970)の証明が適用できない点にある。ここでは、加藤の証明の有限次元版を再考することで、断熱定理の量子写像への拡張を与えた。

講演・口頭発表等

 
平均場近似によるボーズ粒子系の断熱的な準位反転の解析
田中篤司, 中村孝明, 全卓樹
日本物理学会 2018年秋季大会 [物性] (2018-09-19/2018-09-12)   2018年9月12日   日本物理学会
量子多体系での新奇な量子ホロノミーの例を、平均場近似を通じて得た。この例では、基底状態に用意したボーズ粒子系が、近似的な断熱サイクルの結果、準位反転状態と呼ばれる非平衡状態に至る。系の固有エネルギーは粒子間相互作用のために分岐し「ツバメの尾」の形を取る。このため、準位反転を成功させるには、系の対称性からは予想できない箇所を透熱的に通過させる必要がある。この点で、相互作用の無い場合と対照的である。

Misc

 
田中篤司、全卓樹
日本物理学会誌   72(4) 240-245   2017年4月   [査読有り][依頼有り]
新奇な量子ホロノミーとは、断熱サイクルの結果、物理量が元に戻らず変化することである。例えば、静磁場下で定常的なスピンは静磁場の断熱変化に追随するため、サイクルが完了するとスピンの向きは元に戻ると期待される。しかし、準位交差や周期外場からの影響によって、新奇な量子ホロノミーが実は起き得る。この現象は、近年さまざまな物理系での例が見いだされ、さらにその数理的背景が明らかにされた。これらを概観した。

書籍等出版物

 
ローリー・ブラウン 編 , 北原和夫 , 田中篤司 訳 (担当:共訳)
岩波書店   2016年3月   ISBN:4000053302
Feynman’s Thesis: A New Approach to Quantum Theory, Laurie Brown, ed., (Singapore: World Scientific, 2005) の日本語訳。

担当経験のある科目

 

競争的資金等の研究課題

 
文部科学省: 科学研究費補助金(基盤研究(C))
研究期間: 2017年4月 - 2020年3月    代表者: 田中篤司

所属学協会

 
 

経歴

 
2018年4月
 - 
現在
首都大学東京 理学部物理学科 助教 (学科再編による)
 

委員歴

 
2009年11月
 - 
2011年10月
日本物理学会  新著紹介小委員会委員
 

学歴

 
1993年4月
 - 
1996年3月
東京工業大学 大学院理工学研究科 応用物理学専攻後期博士課程