共同研究・競争的資金等の研究課題

2019年4月 - 2024年3月

生体機能構築基盤としての上皮バリア学の新展開

日本学術振興会  科学研究費助成事業 特別推進研究  特別推進研究

課題番号
19H05468
体系的課題番号
JP19H05468
配分額
(総額)
560,300,000円
(直接経費)
431,000,000円
(間接経費)
129,300,000円

上皮バリア研究の2つの大きな課題、 (1) 生体内でクローディン(Cldn)分子がどの様に重合して、27種類のCldnに特異的な細胞間バリアを形作り、上皮細胞間の物質透過遮断機能や選択的透過機能が構築されるか? (2) TJの細胞間バリアが、「TJ-アピカル複合体」を介してどの様にアピカル面バリアと機能連携して、上皮バリアが構築されるか? に取り組み、細胞間バリア操作法開発の基盤の構築を推進した。
(1)について、27種類のCldn各々により構築される生体内TJ細胞間バリアの特性の解析のための培養上皮細胞系を構築した。Cldnごとに異なる細胞間バリアの物質透過遮断機能や選択的透過機能が、特異的に精密に制御されていることが、分子生物学的、生理学的に詳細に明らかにされた。クライオ電子顕微鏡で、これらの細胞の機能時のTJにアプローチしてTJの分子構築の生体内実態を明らかにできるシステムの構築を進めた。その前段階の固定エポン包埋サンプルのトモグラフィー像で、TJ細胞間に、低解像力ではあるものの、分子構造モデルから予想される繰り返し構造を認めた。さらに凍結サンプルでのラメラ切片調製法を工夫し、クライオ電子顕微鏡で、高解像度の像を得る工夫を進めている。
(2)について、上皮バリア構築に重要な「TJ-アピカル複合体」構成成分の数例について、そのバリア構築メカニズムの、分子・細胞・個体レベルでの解析を進めた。TJに結合するアピカル骨格構成因子の重要性が明らかになり、その上皮バリア構築メカニズムには多様性があることが明らかになった。
今後さらに双方向からの上皮バリア研究を推し進め、上皮バリアによる生体機能構築について新規の統合的解析・理解を開拓し、上皮バリア学の新展開を目指す。

リンク情報
URL
https://kaken.nii.ac.jp/file/KAKENHI-PROJECT-19H05468/19H05468_saitaku_shoken_ja.pdf
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-19H05468
ID情報
  • 課題番号 : 19H05468
  • 体系的課題番号 : JP19H05468