共同研究・競争的資金等の研究課題

2019年4月 - 2022年3月

コミュニケーションロボット開発を通した認知症介護支援への工学教育の活用

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
19K03181
体系的課題番号
JP19K03181
配分額
(総額)
4,290,000円
(直接経費)
3,300,000円
(間接経費)
990,000円

本研究は、「弱いロボット」の概念を用いて認知症高齢者を介護する介護者の負担を軽減させることを目的としている。認知症高齢者と介護者の間にロボット を介在させることで、介護者の心理的負担軽減を試みている。また、ロボットの開発課程を課題解決型学習(以下、PBL)として教材化することも目的の一つで ある。これによって、工学系学生が介護の現場に参加する機会を作り、介護や医療の専門家以外の若年層を介護に参加させることで、介護者不足の解決の一端を 担うことを期待している。
当該年度の計画では、学生の高齢者デイケア施設での試演を数回行い、ロボットを通した高齢者と学生の相互作用を観察し、ロボット自体の高齢者に対する親和性、高齢者に対する学生への親和性、および高齢者-ロボット-学生の間の関係性の変化を調査する予定であった。しかし、本年度も新型コロナウイルス感染が収束せず、デイケア施設での試演は前年度に続き実現しなかった。
そのため、施設での実践的調査の代わりに、(1)ロボットの動作に対する人への働きかけに関わる基本的な調査および、(2)本研究の関係者の近親者の協力のもと、ロボットとの相互作用の記録と分析を行なった。(1)ではロボットの視線や腕の振りなどの働きかけに対する人が受ける印象を調査した。10数分の間のロボットと人の相互作用を調査したが、長時間意思疎通を続けるための条件はまだ見つかっていない。(2)では、関係者と近親者ととが、ロボットに対して共同注視の関係を作っている状況を観察することができた。今後、3者の行動の関係をNグラムモデルなどの状態機械モデルを用いて、相互関係を分析する予定である。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-19K03181
ID情報
  • 課題番号 : 19K03181
  • 体系的課題番号 : JP19K03181

この研究課題の成果一覧

論文

  2

講演・口頭発表等

  1