2019年4月 - 2023年3月
発生発達期の化学物質暴露による神経行動毒性リスク早期予測システム構築に資する研究
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(A) 基盤研究(A)
本研究は4年計画で行う。研究開始3年目は、胎生期マウス(経胎盤暴露)から生後2週齢までのマウス(経乳暴露)にADIレベルの低用量の有機リン系農薬:アセフェートを飲水投与することにより脳機能不全モデルを作出し、12-13週齢時の雌雄マウスについてオープンフィールド試験、明暗往来試験、恐怖条件付け学習記憶試験を組み合わせたバッテリー式の行動解析を行った後、RNA seqによる網羅的遺伝子発現解析を開始した。パスウェイ解析の結果、現在までに「内分泌かく乱関連パスウェイ」や「ガン関連パスウェイ」が 抽出されたものの、記憶能の低下(雄マウス)や不安関連行動の逸脱傾向(雌マウス)などの行動異常に、直接的に関与すると考えられるパスウェイは抽出されなかった。
さらに詳細な解析を進める予定である。神経病理学的解析、主に神経突起タンパクの生化学的性状への影響に焦点を合わせた神経突起・シナプス動態解析を分担研究者の平舘裕希と協力して遂行した。さらに各種分化段階の神経幹細胞や各種のグリア細胞の分化マーカーを用いた神経幹細胞動態解析については分担研究者の中島欽一と協力して遂行中である。またマウス海馬スライスを用いての膜電位感受性色素(VSD)を利用した神経回路機能イメージ ング解析は、分担研究者の冨永貴志と協力して遂行中である。
また、抗菌薬としてニューキノロン系抗菌薬:トスフロキサシントシル酸塩水和物(TFLX)、およびマクロライド系抗菌薬;クラリスロマイシン(CAM)を選択し、発達期投与として生後4週齢から6週齢に、また性成熟期投与として生後8週齢から10週齢にそれぞれの抗菌薬を飲水投与を開始し生後12-13週齢時にバッテリー式の行動解析を行った。その結果、TFLX発達期投与群において不安関連行動の逸脱が、CAM発達期投与群および性成熟期投与群において記憶能の低下が認められた。
さらに詳細な解析を進める予定である。神経病理学的解析、主に神経突起タンパクの生化学的性状への影響に焦点を合わせた神経突起・シナプス動態解析を分担研究者の平舘裕希と協力して遂行した。さらに各種分化段階の神経幹細胞や各種のグリア細胞の分化マーカーを用いた神経幹細胞動態解析については分担研究者の中島欽一と協力して遂行中である。またマウス海馬スライスを用いての膜電位感受性色素(VSD)を利用した神経回路機能イメージ ング解析は、分担研究者の冨永貴志と協力して遂行中である。
また、抗菌薬としてニューキノロン系抗菌薬:トスフロキサシントシル酸塩水和物(TFLX)、およびマクロライド系抗菌薬;クラリスロマイシン(CAM)を選択し、発達期投与として生後4週齢から6週齢に、また性成熟期投与として生後8週齢から10週齢にそれぞれの抗菌薬を飲水投与を開始し生後12-13週齢時にバッテリー式の行動解析を行った。その結果、TFLX発達期投与群において不安関連行動の逸脱が、CAM発達期投与群および性成熟期投与群において記憶能の低下が認められた。
- ID情報
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- 課題番号 : 19H01142
- 体系的課題番号 : JP19H01142
この研究課題の成果一覧
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論文
1-
BioEssays 2000084-2000084 2021年3月 査読有り招待有り最終著者