共同研究・競争的資金等の研究課題

2018年4月 - 2022年3月

中東少数派の音文化に関する研究ー共有と非共有に着目してー

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(B)  基盤研究(B)

課題番号
18H00626
配分額
(総額)
15,340,000円
(直接経費)
11,800,000円
(間接経費)
3,540,000円

イラン、トルコ、アラブ諸国でこれまで調査研究を行ってきた三名の研究者が参加している本研究は、中東少数派の音文化の解明を目的としている。少数派や非主流派の音文化・音楽はときとして多数派や主流派との区別が難しい。本研究では各研究者がこれまで培ってきた知識や経験を活かし、多数派と共有している部分を認めつつも共有していない部分への理解を深めたいと考えている。こうした課題を遂行するために、本研究は三つの部分から成り立っている。第一は代表者と分担者二名の個別の調査研究、第二は年に一度行う研究会、第三に海外からの演奏家や研究者の招へいである。
個別の研究としては、トルコ、シリア、イラク、イランの国境をまたがって居住している人々、主にクルド人の音楽研究があり、イランでは谷が、トルコ・シリア・イラクのそれに関しては飯野が担当する。トルコで少数派/非主流派であるアレヴィー教徒に関しては、オーストラリアのディアスポラ集団を米山が担当している。平成30年度が一年目であったことから、業績には上記の目標は必ずしも反映されていないが、上述地域の少数派の一つであるシリア正教徒の音楽研究をこれ以前から行っている代表者の飯野による学会発表等は、これから議論を深めるための序論的な内容となっている。
いまだ音楽研究としては議論の深まっていないテーマではあるが、7月下旬に行われた研究会には予想を超える数の参加者があり、関心は低くないことが明らかになった。12月上旬には、シリアの古都アレッポを代表するウード奏者のムハンマド・カドリー・ダラール氏と他二名を招へいし、東京大学と神戸大学でレクチャー・コンサートを行った。同氏の演奏家としての実績と経験に裏打ちされた演奏内容は、専門家の間で関心を集めた一方で、一般参加者にも強い印象を残した。東京大学での公演には予想を超える100名以上の参加があった。

ID情報
  • 課題番号 : 18H00626

この研究課題の成果一覧

講演・口頭発表等

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