野尻 太郎

耳鼻咽喉器官（主に外耳, 中耳, 内耳, 舌骨, 喉頭, 気管, 気管支)の筋骨格神経系の胚発生過程から, 脊椎動物の音声利用に用いられる器官の形態進化プロセス, 音声の多様性が創出されるメカニズムの解明を目的に研究しています.

動物たちが発するさまざまな音声は, 聴覚器や喉頭, 気管の形づくりがどのように変わることで生み出されるのでしょうか？有羊膜類 (爬虫類, 鳥類, 哺乳類)の胚標本の大規模比較を行いながら紐解いています.

研究手法として以下のアプローチを用いています.

・マイクロCT, ヨウ素造影CT (DiceCT)による非破壊的な形態イメージング

・連続組織切片, 免疫組織化学染色法による筋・軟骨・神経支配の三次元再構築

・凍結切片, ホールマウントでのin situ hybridizationによる遺伝子発現解析

・R, Mesquite, Pythonを用いた, 生態, 形態, 行動, 発生情報の進化分析 (祖先型復元, 進化速度推定など)

・Pythonによる有限要素解析 (Dolphinx, FEniCS)を用いた, 音響シミュレーション (音圧分析, 周波数応答分析など)

・野外での生物音響測定, 音声解析ソフト (Kaleidoscope, Praat)を用いた音響特性-形態形質の関連解析