共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年11月 - 2025年3月

分子デバイス統合によるミニマル人工脳の構築とその社会的イノベーション

日本学術振興会  学術変革領域研究(A)(分子サイバネティクス)  学術変革領域研究(A)

課題番号
20H05969
体系的課題番号
JP20H05969
配分額
(総額)
168,350,000円
(直接経費)
129,500,000円
(間接経費)
38,850,000円

本研究課題は,「分子サイバネティクス」においてケミカルAIを実装できる実験システムおよび理論モデルを開発し,科学技術社会論からみた意義を探究し,責任のある科学・イノベーション(RRI)を実践する.
(1)実験システムとして,ケミカルAIの基盤となるリポソームをマイクロ流体デバイス内で3個連結し,その動態を自動記録できる基盤技術の確立を研究目的としている.また,東北大学にインテグレーション拠点を構築する.本年度内に,リポソームをマイクロ流体デバイス内で3個連結して,統計的に動態計測できる基本技術を確立した。また,その動態を自動記録し,遠隔操作可能なシステムのインターフェースの開発を開始した。また,B01班, C01班,D01班の各研究グループが構築する分子デバイスの評価を可能とする2連油中水滴形成治具を頒布し,各研究グループからのフィードバックによって装置改良して開発を進めた。
(2)理論モデルについては,感覚・回路・展開の機能をもつ3種のリポソームを特定の順序に並べた配列のモデル(SPAユニットと呼ぶ)を構築し,それをさらに多数結合して大規模な分子システムの学習能力の数理的検討を行うことを目標としている.本年度では,SPAユニットが結合することによる計算能について,木構造の計算アルゴリズムを新たに開発したり,ブラウン運動と代謝をカップリングさせた計算システムを構築したりした。
(3)科学技術社会論的研究では,「分子サイバネティクス」が最先端の化学技術におけるRRIのロールモデルの一つとなるための提言を行うことを研究目的としている.本年度では,マスメディアの発信情報としてJournal-in-Residenceとして3名のジャーナリストを招いて長期の取材や発信方法について基本的な共通認識を導いた。また,分子サイバネティクスならびに分子ロボティクスに関連する用語や概念に関するマスメディア上の概念解析を開始した。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PLANNED-20H05969
ID情報
  • 課題番号 : 20H05969
  • 体系的課題番号 : JP20H05969