2014年7月
放射性ゼオライト廃棄物の特性及び保管
Journal of Nuclear Science and Technology
- 巻
- 51
- 号
- 7-8
- 開始ページ
- 1044
- 終了ページ
- 1053
- 記述言語
- 英語
- 掲載種別
- DOI
- 10.1080/00223131.2014.924446
福島第一原子力発電所の放射性塩水の処理で発生した使用済ゼオライト吸着塔の安全保管を目的として、ゼオライト系吸着材Herscheliteの基礎特性を研究し、水素発生及び容器の塩分腐食を評価した。Herschelite試料の水素発生量は、試料の水位と溶存種に依存する。これは、発生した水素が、水面へ拡散移動する過程で、ラジカルにより酸化されるためである。このような水の液深効果を考慮して、海水あるいは純水に浸かったHerscheliteからの水素発生率を評価した。これら基礎特性データを用いて、基準となる崩壊熱504Wの吸着塔内の水素濃度を熱流動解析した。その結果、塔内に残留する洗浄水の有無に係わらず、水素濃度は爆発下限界(4\%)に至らないと評価された。吸着塔容器材料であるステンレス鋼SUS316Lの定常腐食電位は、吸収線量率とともに増加したが、Herscheliteを共存させることで増加が抑制された。崩壊熱504Wの吸着塔底部の環境は750Gy/h-60$^{\circ}$C以下と評価され、20,000ppmCl$^{-}$濃度以下では、Herscheliteと接触した316L鋼の局部腐食は直ちに発生しないと考えられる。
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- DOI : 10.1080/00223131.2014.924446
- ISSN : 0022-3131