2020年4月 - 2023年3月
体幹の機能的トレーニングが脳卒中片麻痺者の反応的姿勢制御能力に与える効果の検証
日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究 若手研究
外乱刺激に対する反応的姿勢制御メカニズムを理解し関連する機能障害を明らかにすることは、反応的姿勢制御能力を改善するために不可欠である。脳卒中片麻痺者は転倒発生率が高いことが知られており、我々は脳卒中片麻痺者では外乱刺激に対するステップ反応に先行する身体動揺を制御するメカニズムが麻痺側肢側で欠損し、ステップ反応そのものが欠如しやすいことを明らかにした。これらを踏まえ、本申請課題では脳卒中片麻痺者によくみられる体幹機能障害に着目し、①脳卒中片麻痺者の反応的姿勢制御能力と体幹機能障害の関連を調べ、②体幹機能トレーニングが反応的姿勢制御を向上させるか検証することを目的とした.
令和3年度は,体幹機能トレーニングが反応的姿勢制御を向上させるか検証する予定であったが,新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け,被験者リクルートに協力いただく予定の施設への立ち入りが制限されている状態が継続しており,研究が実施できなかった.そのため,(1)昨年度までに実施したデータの解析および論文執筆,(2)症例研究による体幹機能トレーニングが反応的姿勢制御への影響の検証を行った.
慢性期脳卒中片麻痺者1名を対象とし,ABAデザインによって体幹機能トレーニングが外乱刺激に対するステップ反応の運動学的変数に与える影響を調べた.その結果,(1)介入期に体幹機能が向上した,(2)介入期に体幹の最大Pitch角速度,前方向の最大加速度が減少した.これらから,慢性期脳卒中片麻痺者に対する体幹機能トレーニングは,ステップ反応時の体幹動揺を減少させる可能性があることを示唆した.
令和3年度は,体幹機能トレーニングが反応的姿勢制御を向上させるか検証する予定であったが,新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け,被験者リクルートに協力いただく予定の施設への立ち入りが制限されている状態が継続しており,研究が実施できなかった.そのため,(1)昨年度までに実施したデータの解析および論文執筆,(2)症例研究による体幹機能トレーニングが反応的姿勢制御への影響の検証を行った.
慢性期脳卒中片麻痺者1名を対象とし,ABAデザインによって体幹機能トレーニングが外乱刺激に対するステップ反応の運動学的変数に与える影響を調べた.その結果,(1)介入期に体幹機能が向上した,(2)介入期に体幹の最大Pitch角速度,前方向の最大加速度が減少した.これらから,慢性期脳卒中片麻痺者に対する体幹機能トレーニングは,ステップ反応時の体幹動揺を減少させる可能性があることを示唆した.
- ID情報
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- 課題番号 : 20K19415
- 体系的課題番号 : JP20K19415