健常者における大円型コイルを使用した大脳皮質脊髄円錐部運動時間と馬尾伝導時間について検討した。健常者56例(男性33名、女性23名、14〜83歳)を対象とした。経頭蓋磁気刺激誘発筋電位(Br(M)-MsEP)は、Double-Cone coil使用し、刺激強度は100%、abductor hallucis(AH)から軽度随意収縮時間を記録した。末梢伝導時間(PT)は、M波およびF波を16回最大上刺激を行い、算出した。CMCTはMEP潜時からPTを引いて算出した。大脳皮質脊髄円錐部運動時間(CCCT)と馬尾伝導時間(CECT)は、男女間で有意差は認めなかった。年齢とCECT、CCCT間の検討では、有意な相関は認めなかった。身長とCECT、CCCT間でも、これらの間に有意な相関は認めなかった。Br(M)-MsEP潜時と左右のCCCTの検討では正の相関があったが、Br(M)-MsEP潜時と左右CECTとは相関は認めなかった。CMCTと左右のCCCTの検討でも正の相関があるも、CMCTと左右のCECTの間には相関はなかった。