2002年9月
アメリカにおける移植用臓器マーケット論 ― Henry Hansmann, "Market for Human Organs"の紹介
生命倫理
- 巻
- 12
- 号
- 1
- 開始ページ
- 140
- 終了ページ
- 146
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 書評論文,書評,文献紹介等
- DOI
- 10.20593/jabedit.12.1_140
- 出版者・発行元
- 日本生命倫理学会
移植臓器の不足は日本のみならず、アメリカにおいても問題となっている。そしてアメリカでは、臓器売買を容認すれば、現在の慢性的な移植用臓器不足は解消するという観点から、臓器売買に賛成する意見も根強い。今回はその臓器売買賛成論者の中で、もっとも急進的な理論であると思われる「臓器マーケット」の設置を提唱している経済学者、ヘンリー・ハンスマンの論文「Market for Human Organs」(Cosimo Marco Mazzoni ed., A Legal Framework for Bioethics, Kluwer Law International, 1998, pp.145-159.)を紹介したい。臓器売買について賛成論を唱える論者が殆どいない日本から見れば、極めてナンセンスな理論のように思われるかもしれないが、彼の理論はその是非はともかくとして、相当に具体性のある実践的な提唱であり、アメリカにおける臓器売買賛成論の一形態として、きわめて興味深いものである。
- リンク情報
- ID情報
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- DOI : 10.20593/jabedit.12.1_140
- ISSN : 1343-4063
- CiNii Articles ID : 110004833325
- CiNii Books ID : AN10355291