論文

査読有り
2018年11月

環境負荷と核拡散の脅威を削減するための熱中性子炉の高温ガス炉によるウラン燃料に基づく超ウラン元素多重リサイクル

Journal of Nuclear Science and Technology
  • 深谷 裕司
  • ,
  • 後藤 実
  • ,
  • 大橋 弘史
  • ,
  • Yan X.
  • ,
  • 西原 哲夫
  • ,
  • 津幡 靖宏
  • ,
  • 松村 達郎

55
11
開始ページ
1275
終了ページ
1290
記述言語
英語
掲載種別
DOI
10.1080/00223131.2018.1492983

環境負荷低減と核拡散の脅威の削減を目的として高温ガス炉を用いたマルチリサイクルに関する研究を行った。これらの問題はプルトニウムとマイナーアクチノイドからなる超ウラン元素を燃焼させることにより解決され、高速増殖炉の多重リサイクルにより超ウラン元素を燃焼させるコンセプトがある。本研究では、増殖の代わりに核分裂性ウランをサイクルの外部から供給することにより、熱中性子炉であってもマルチリサイクルを実現させる。この燃料サイクルにおいて、再処理から得られる回収ウランと天然ウランは濃縮され、再処理・分離から得られる回収超ウラン元素と混合され、新燃料が作られる。その燃料サイクルを600MW出力のGTHTR300を対象に、ウラン濃縮施設の概念設計も含め設計した。再処理は現行PUREXに4群分離技術を付随したものを想定した。結果として、ネプツニウム以外の超ウラン元素のマルチリサイクルの成立を確認した。潜在的有害度が天然ウランレベル以下に減衰するまでの期間はおよそ300年程度であり、高レベル廃棄物の処分場専有面積は、既存の再処理処分技術を用いた場合と比較し99.7\%の削減を確認した。このサイクルから余剰プルトニウムは発生しない。さらに、軽水炉サイクルからの超ウラン元素の燃焼も本サイクルにより可能である。

リンク情報
DOI
https://doi.org/10.1080/00223131.2018.1492983
URL
https://jopss.jaea.go.jp/search/servlet/search?5062180
ID情報
  • DOI : 10.1080/00223131.2018.1492983
  • ISSN : 0022-3131

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