MISC

2018年1月

亜酸化窒素吸入鎮静時に心因性非てんかん発作を生じたと考えられた1例

日本歯科麻酔学会雑誌
  • 吉川 博之
  • ,
  • 弦巻 立
  • ,
  • 田中 裕
  • ,
  • 小玉 由記
  • ,
  • 瀬尾 憲司

46
1
開始ページ
16
終了ページ
18
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
(一社)日本歯科麻酔学会

21歳女。下顎右側犬歯のう蝕に対し保存修復術が予定された。合併症としててんかん、パニック障害、自閉スペクトラム症を認めたが、以前から亜酸化窒素吸入鎮静法を用いててんかん発作を生ずることなく歯科治療を行っていたため同様に治療を行うこととなった。100%酸素の投与後亜酸化窒素濃度を投与したが、痙攣発作と意識消失を生じ、てんかん発作と考えフェニトイン、ジアゼパムを投与したが無効であった。アームドロップテスト陽性であったため心因性非てんかん発作(PNES)の可能性が考えられ、経過観察により徐々に呼びかけに反応し、会話もできるようになった。同日に再び痙攣と意識レベル低下を認めフェニトイン投与により軽快し、その後は問題なく経過し翌日に退院した。通常は治療前に行っていた会話が今回は全くなかったことから、PNESの原因として3ヵ月前のCT撮影中に生じた痙攣と意識消失に対する不安感が考えられた。

ID情報
  • ISSN : 0386-5835
  • 医中誌Web ID : 2018215536

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