MISC

2014年10月

術後せん妄対策として抑肝散を予防投与した1例

日本歯科麻酔学会雑誌
  • 弦巻 立
  • ,
  • 照光 真
  • ,
  • 山田 友里恵
  • ,
  • 山崎 麻衣子
  • ,
  • 金丸 博子
  • ,
  • 吉川 博之
  • ,
  • 倉田 行伸
  • ,
  • 田中 裕
  • ,
  • 瀬尾 憲司

42
5
開始ページ
636
終了ページ
637
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
(一社)日本歯科麻酔学会

症例は81歳女性で、乳癌術後、子宮筋腫の既往があり、糖尿病、高血圧で内服加療中であった。下顎骨悪性腫瘍で下顎骨区域切除・プレートによる再建術・頸部郭清術を受け、手術終了後病棟へ帰室直後から過活動型の術後せん妄を認め、ミダゾラム持続投与で鎮静を行い、入眠してせん妄は消失した。今回、プレートの除去術と周囲の掻爬術が予定された。術後せん妄の可能性を考慮して抑肝散を術前4日間投与し、手術当日は休薬とした。ミダゾラム、フェンタニル、プロポフォールで鎮静を得て気管支ファイバー誘導下に気管挿管を行い、プロポフォール、ロクロニウム臭化物を静注し、胃管を挿入して空気、酸素、セボフルランおよびレミフェンタニル適宜投与で維持した。手術時間は4時間2分、麻酔時間は5時間19分であった。術後回復は良好で不快感なく退室した。病棟へ帰室後も平常通りで、過活動型のせん妄は認めなかった。

ID情報
  • ISSN : 0386-5835
  • 医中誌Web ID : 2015030145

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