講演・口頭発表等

2016年10月

白金製剤療法中に種々の電解質異常を来した1例

臨床体液
  • 藤井 航
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  • 根本 佳和
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  • 森本 幾之
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  • 眞 祥子
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  • 井上 玲子
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  • 新井 繁幸
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  • 田村 好古
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  • 太田 樹
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  • 柴田 茂
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  • 藤垣 嘉秀
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  • 内田 俊也

記述言語
日本語
会議種別

症例は69歳男性で、8年前に原発不明癌、両側頸部リンパ節転移にて頸部リンパ節郭清、放射線照射を施行した。3年前に肝内胆管癌を指摘されゲムシタビン+S-1併用療法を施行、1年前にゲムシタビン+シスプラチン併用療法に変更し計12コース投与した。4ヵ月前より右下大臼歯の動揺を自覚、1ヵ月前から開口障害、歯肉腫脹、排膿を認め、食事摂取が困難になった。4日前にロキソプロフェン、アセトアミノフェンを鎮痛のため処方した。低Na血症及び下顎骨骨髄炎、右顎下蜂窩織炎の診断で入院した。下顎骨骨髄炎、右顎下蜂窩織炎に対してピペラシリンを投与した。両上下肢に浮腫を認める一方で身体所見上脱水を示唆するものはなく、尿浸透圧の相対的上昇、低尿酸血症、Na排泄率及び尿酸排泄率の上昇から食事摂取量低下に起因するNa摂取量不足だけでなく、SIADH様の病態を疑い水分制限を行い輸液を減量、経口からのNa摂取量を増加させた。血清Na値は改善、それに伴いNa、尿酸排泄率も低下した。下顎骨骨髄炎、右顎下蜂窩織炎の軽快を確認し、入院16日目に退院した。