講演・口頭発表等

2018年

女子学生の食習慣の現状と疲労状態との関連

日本調理科学会大会研究発表要旨集
  • 阪野 朋子
  • ,
  • 小出 あつみ
  • ,
  • 山内 知子

開催年月日
2018年 - 2018年
記述言語
日本語
会議種別
主催者
日本調理科学会

【目的】若年期の適切な食習慣は将来の健康状態に影響を及ぼすと考えられている。若い世代では朝食の欠食が多く、栄養バランスの悪い食習慣に関する報告が多い。また、若年層でも肩こりや頭痛などの不定愁訴の訴えもあり、生活との関連性が指摘されている。そこで、本研究では、女子学生の食習慣の現状を把握し、疲労状態との関連を検討した。<br>【方法】愛知県N市にある女子大学の2年生158名(平均年齢19.4±0.5歳)を対象とし、自記式質問紙による調査を行った。質問紙の設問は、属性・4問、咀嚼状況・3問、食事摂取状況・5問、食習慣・20問、疲労状態・30問であった。疲労状態は、「自覚症状しらべ」を用いた。統計処理はSPSS (ver.21)を使用し、有意水準を5%以下で示した。<br>【結果】対象者の約7割が2世代家族で、実家暮らしであった。1日3食の摂食頻度では、7割を超える者が毎日食べると回答した。食習慣では、野菜類やたんぱく質性食品を約7割が毎日食べており、甘い物の摂取に気を付けていた。その一方で、果物類と海藻類は約7割が摂取しておらず、菓子を食事代わりにするとした回答もあった。食習慣項目を得点化して平均値で食習慣の良い高群と悪い低群の2群で分析した結果、朝食頻度では高群は低群より有意に高く、居住形態では高群が低群より実家暮らしの割合が有意に高かった。また、疲労状態の「ねむけとだるさ」および「注意集中の困難」において、低群は高群より疲労状態であることが示された。以上の結果から、女子学生において実家暮らしの環境が、朝食摂食を含む良い食習慣につながると推察された。さらに、実家暮らしの環境は疲労状態にも良い影響を与える可能性が示された。

リンク情報
DOI
https://doi.org/10.11402/ajscs.30.0_177