共同研究・競争的資金等の研究課題

2016年4月 - 2021年3月

脳の情報処理原理を応用した無線センサーネットワークアルゴリズムの研究

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(A)  基盤研究(A)

課題番号
16H01719
体系的課題番号
JP16H01719
配分額
(総額)
33,020,000円
(直接経費)
25,400,000円
(間接経費)
7,620,000円

インパルス領域でセンシング、情報処理、通信の全てを実施する超低消費電力で超ロバストなオールインパルス無線センサネットワークアーキテクチャの確立のため、課題1「インパルス領域でのセンシングとノード内符号化アルゴリズムの研究」、課題2「インパルス領域でのネットワーキングとノード間符号化アルゴリズムの研究」に取り組んだ。
課題1では、インパルスベースの新たなエラー訂正符号について有線ネットワークにおける検証を行い、以前の方式の100倍の速さで動作可能であることを確認した。この大幅な性能改善は、複数の送信機が干渉を最小にしつつ同一チャネル上でインパルスをブロードキャストできるようになったことによる。本成果については特許出願中である。また、さらにおよそ1.5倍の性能向上を見込んだ新たなエラー訂正符号の設計を行い、インパルス無線ネットワークにおける検証に着手した。
また、課題2では、リザバ計算の応用によるイベント検知手法について、複数ノードでの入力の有無や入力の違いを弁別するタスクを実施し、最大5ノードへの同時入力において、平均93%の正答率を達成し、80%のケースで正答率が90%を越えることを確認した。さらに、読み出しノードの数が多いほど正答率が上がるがネットワークが大きくなると正答率が下がること、通信範囲に10~20%の誤差があると正答率が大きく低下することを明らかにした。あわせて、ノード故障や通信障害が正答率に与える影響についても評価した。また、センシングエリア内で何らかの特徴的な時空間構造を持つ事象の効率的な検出を目指して、脳の選択的注意メカニズムを参考にした情報抽出手法について検討を行った。本年度は脳の仕組みを参考にした機械学習手法において、適切な注意領域の大きさを状況に応じて調整するアルゴリズムを検討し、既存の強化学習手法のサンプリングを改良することなどでその開発に成功した。

リンク情報
URL
https://kaken.nii.ac.jp/file/KAKENHI-PROJECT-16H01719/16H01719seika.pdf
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-16H01719
ID情報
  • 課題番号 : 16H01719
  • 体系的課題番号 : JP16H01719