2021年4月 - 2024年3月
インスリン産生細胞へと分化誘導可能な間葉系幹細胞の特性解析と移植療法の構築
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
本年度は、①優れた分化誘導効率を発揮する脂肪由来間葉系幹細胞の細胞集団の同定と②インスリン産生細胞への分化誘導効率を高める遺伝子の解明を計画した。①の解析については、脂肪由来間葉系幹細胞を表面抗原の発現様式からポピュレーション分類を行い、それぞれのグループについて、インスリン産生細胞への分化誘導を実施した。その結果、表面抗原の発現様式によるポピュレーション分類では、インスリン産生細胞への分化誘導効率に明らかな差はみられず、間葉系幹細胞をバルクで分化誘導した結果と同等の誘導効率であった。そのため、表面抗原の発現パターンから分化誘導効率に優れた細胞集団を特定することは困難であると考えられた。
②の解析については、これまでの研究成果から数種類の候補遺伝子が特定できているため、本年度はこれらの遺伝子導入によって分化誘導効率に変化が生じるのかを検討した。初めに、候補遺伝子それぞれのプラスミドDNAを作製し、間葉系幹細胞への遺伝子導入を試みたが、導入効率が著しく低い結果であったため、プラスミドDNAによる遺伝子導入は適さないと判断し、アデノウイルスベクターを利用した遺伝子導入に変更した。数種のアデノウイルスベクターによる遺伝子導入効率を比較したうえで、候補遺伝子のアデノウイルスベクターを作製し、インスリン産生細胞へと分化誘導を試みた。その結果、膵β細胞への分化に関与する転写因子群を遺伝子導入することで、分化誘導効率の向上が確認できた。
②の解析については、これまでの研究成果から数種類の候補遺伝子が特定できているため、本年度はこれらの遺伝子導入によって分化誘導効率に変化が生じるのかを検討した。初めに、候補遺伝子それぞれのプラスミドDNAを作製し、間葉系幹細胞への遺伝子導入を試みたが、導入効率が著しく低い結果であったため、プラスミドDNAによる遺伝子導入は適さないと判断し、アデノウイルスベクターを利用した遺伝子導入に変更した。数種のアデノウイルスベクターによる遺伝子導入効率を比較したうえで、候補遺伝子のアデノウイルスベクターを作製し、インスリン産生細胞へと分化誘導を試みた。その結果、膵β細胞への分化に関与する転写因子群を遺伝子導入することで、分化誘導効率の向上が確認できた。
- ID情報
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- 課題番号 : 21H02373
- 体系的番号 : JP21H02373