論文

2021年

解剖学的ランドマークとの相対位置を用いたカーネル法による気胸肺の変形推定

生体医工学
  • 山本 詩子
  • ,
  • 中尾 恵
  • ,
  • 大関 真之
  • ,
  • 徳野 純子
  • ,
  • 芳川 豊史
  • ,
  • 松田 哲也

Annual59
Abstract
開始ページ
515
終了ページ
515
記述言語
日本語
掲載種別
DOI
10.11239/jsmbe.annual59.515
出版者・発行元
公益社団法人 日本生体医工学会

肺が生体内にあるときは膨らんでいる(含気状態)が、手術中は肺が萎む(脱気状態)。ビデオ胸腔鏡下手術では、肺結節の切除をサポートするリアルタイムの映像を医師に提供するために、肺がどのように変形しているのかを高精度に推定することが期待されている。本研究では、カーネル法に基づいて、膨らんだ肺から萎んだ肺への変形を推定する手法を提案する。本手法では、肺表面に設定した少数のランドマーク点との相対位置を利用して、肺表面全体の変形を推定する。実験には、9例のビーグル犬の左肺を含気状態と脱気状態でCT撮像し、肺表面の3次元メッシュモデルを構築して用いた。上葉と下葉のメッシュモデルはそれぞれの頂点数400で別々に構築し、含気状態と脱気状態の肺の形状マッチングを行った。形状マッチングのプロセスはデータとして用いる既知の肺のみに必要で、未知の肺で行う必要は無い。ランドマークは肺の外側の表面に設定し、6点のランドマークを用いた実験では、全体の体積が40%萎んだ肺に対して、平均の局所位置誤差2.74mm、ハウスドルフ距離6.11mm、ダイス係数0.94で推定することができた。ランドマークを大葉間裂のみに配置した場合にも、平均の局所位置誤差3.29mm、ハウスドルフ距離6.77mm、ダイス係数0.93で推定することができた。また、学習に用いる症例数を減らした実験では4例以上を学習すれば平均の局所位置誤差3mm未満で推定することができた。

リンク情報
DOI
https://doi.org/10.11239/jsmbe.annual59.515
CiNii Research
https://cir.nii.ac.jp/crid/1390571240017316224?lang=ja
ID情報
  • DOI : 10.11239/jsmbe.annual59.515
  • ISSN : 1347-443X
  • eISSN : 1881-4379
  • CiNii Articles ID : 130008105519
  • CiNii Research ID : 1390571240017316224

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