共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年10月 - 2024年3月

東アフリカ産シクリッドの適応進化と平行進化の分子メカニズム解明

日本学術振興会  科学研究費助成事業 国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))  国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))

課題番号
20KK0167
体系的課題番号
JP20KK0167
担当区分
研究分担者
配分額
(総額)
16,770,000円
(直接経費)
12,900,000円
(間接経費)
3,870,000円

本研究計画では「全ゲノム比較解析」に基づく適応遺伝子の網羅探索に加えて、より具体的に「唇の肥大化」に関わる平行進化メカニズム、「V1Rフェロモン受容体」による種分化、をテーマに掲げ、これらが祖先多型によって説明しうるかを検証することを目的としている。国際共同研究相手としてスイスのSeehausen博士、タンザニアのKimireiおよび Mzighani博士、そして米国のKocher博士を選定している。初年度からKocher博士のもとで遺伝子改変シクリッド(ティラピア)の作製をおこなう予定であったが、海外渡航の厳しい状況となったため、国内の共同研究者でティラピアの遺伝子改変技術を持つ新潟大・藤村博士の協力を得て、唇肥大化の候補遺伝子に関してCRISPR/Cas9システムを利用したノックアウト個体の作出をおこなった。国際共同研究相手の諸氏とは、その研究内容に関する詳細な打ち合わせをZoom、メールを用いて進めている。Seehausen博士とはV1Rフェロモン受容体について数あるビクトリア湖産シクリッドの中から理想的な研究対象手の絞り込みをおこなった。全ゲノム比較解析に関しては、多くの祖先多型遺伝子を単離することに成功し、これは進化分野の国際誌であるMol. Biol. Evol.に受理された。この研究で祖先多型として単離された遺伝子については、分子生物学的な研究を通じて発現場所や機能を類推し、祖先多型がシクリッドの適応放散にどれだけ、どのように寄与したのかを明らかにする礎を築くことができたと考えている。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20KK0167
ID情報
  • 課題番号 : 20KK0167
  • 体系的課題番号 : JP20KK0167