37チャネルSQUID磁束計により計測した母音刺激, a/による聴覚誘発脳磁界のうち、潜時約100msecに現れるN1m成分の磁界分布に対する主成分分析から、第1、第2主成分の固有ベクトルは各々電流双極子性と単峰性の分布となること、また累積寄与率から判断し第1と第2の2つの主成分にその時空間的性質が集約されているとみなせることが示された。さらに、単一可動電流双極子モデルと2固定電流双極子モデルによるシミュレーション並びに主成分分析の結果、特定の方向の信号源活動の時空間的変化に伴い、誘発波形、主成分の固有ベクトルの分布共に、実測値に類似した結果が得られることが示された。