今 鉄男

比較ゲノミクスを駆使して、ゲノムの謎に挑む基礎医学研究者・医師。愛知県立明和高等学校出身。

2014年三重大学医学部医学科卒業。学部生時代は、ゼブラフィッシュをモデルとして用いて、低分子化合物の網膜に対する発生毒性の研究に没頭する（Sasagawa*, Nishimura*, Kon*, Front Pharmacol 2016）。

2014年から2016年に初期臨床研修を行い、肺のCiliated muconodular papillary tumor の5例報告を始め、合計4本の英文症例報告を行う（Kon, Pathol Int 2016; Kon, Clin J Gastroenterol 2016; Kon, J Rural Med 2016; Kon, Human Pathology: Case Reports 2017）。

2016年に大阪大学大学院（蛋白質研究所）に進学し、2020年に『眼の発生をつかさどるホメオボックス転写因子Raxの起源と進化の分子進化解析』により博士（医学）を取得（Kon, FEBS Open Bio 2020; Yamamoto, Kon, Cell Rep 2020）。また大学院在籍中に、全ゲノム重複のモデル動物であるキンギョのゲノム中に、非対称サブゲノム進化を発見し、GWASにより、遺伝子重複による遺伝子コピー数の増大と表現型の多様化の関連性を提唱（Kon, Curr Biol 2020）。

2020年から約1年半、長浜バイオ大学で、プロジェクト特任助教を務め、キンギョの網膜のシングルセル解析を行い、全ゲノム重複による重複遺伝子の発現進化を、シングルセルの解像度で解明（Kon, Commun Biol 2022）。その他、ニベ科の高級魚であるフウセイの集団構造解析（Kon, Sci Rep 2021）や、舟山黄牛の黒色の体色とMC1Rの特定のアレルの関連（Lihua*, Kon*, Sci Rep 2021）を報告。

2021年12月より、ウィーン大学Simakov研究室に所属。高い再生力を持つヒドラのゲノム中のトランスポゾンに着目し、シングルセル技術やロングリードシーケンシングを駆使した大規模ゲノム解析を展開中。同時に、複数の動物の国際ゲノム解読プロジェクトに参加し、染色体レベルのゲノムアセンブリの構築を行い、ゲノムワイドな遺伝子制御機構の進化の解明を目指している（Kon-Nanjo, Kon#, G3 2023）。

専門分野：比較ゲノミクス、幹細胞生物学、バイオインフォマティクス